- 第1回 パリ音楽院:近代ピアノ教育の夜明け
- 序:ショパンが生きた時代の森へ
- 第2回 アダンの《音楽院ピアノ・メソッド》1:概要
- 第3回 アダンの《音楽院ピアノ・メソッド》2:理想のピアニスト
- 第4回 アダンの《音楽院ピアノ・メソッド》3:身体性について
- 第5回 1810年代・20年代生まれの作曲家概観
- 第6回 アダン後の2人の名ピアノ教師―ヅィメルマンとカルクブレンナー
- 第7回 カルクブレンナー 1―経歴(1)
- 第8回 カルクブレンナー 1―経歴(2) 演奏、作曲、教育
- 第9回 カルクブレンナーのピアノ・メソッド 1―アダンの伝統
- 第10回 カルクブレンナーのピアノ・メソッド 2―手導器の発明
- 第11回 カルクブレンナーのピアノ・メソッド 3―メソッドの概要 第1部
- 第12回 カルクブレンナーのピアノ・メソッド 4―新たなピアノの表現可能性
- 第13回 カルクブレンナーのピアノ・メソッド 5―生徒に勧めた作曲家と作品、そのジャンル
- 第14回 カルクブレンナーのピアノ・メソッド 6―生徒に勧めた作曲家と作品の分類 (1)
- 第15回 カルクブレンナーのピアノ・メソッド 7―生徒に勧めた作曲家と作品の分類 (2)
- 第16回 カルクブレンナー 《メソッド》の練習曲(1)
- 第17回 カルクブレンナー《メソッド》の練習曲(2)
- 第18回 カルクブレンナー《メソッド》の練習曲(3)―「古典派」?「ロマン派」?言葉のトリック
- 第19回 カルクブレンナー《メソッド》の練習曲(4)
- 第20回 フランス・ピアニズムの未来を切り拓いたピアノ教授―ピエール・ジョゼフ・ギョーム・ヅィメルマン
- 第21回 19世紀前半のパリ音楽院ピアノ教授、ピエール・ジョゼフ・ギョーム・ヅィメルマン ―その教育の成果は…?
- 第22回 19世紀前半、パリ音楽院のコンクール ―フルート奏者がピアニストを審査する!?
- 第23回 岡田暁生『ピアニストになりたい!19世紀 もう一つの音楽史』
- ショパン時代のピアノ教育―フランスにおけるピアニズムの系譜
- 第24回 パリ音楽院ピアノ教授:ヅィメルマン その4 ―ショパン、リストらが集う音楽サロンとは・・・?
- 第25回『ヅィメルマン』その5 ピアニストは 「一流」の作曲家になれない?
- 番外 ―もう一人の「ピアノ詩人」E. プリューダン(1817~1863)公開録音会
- 第26回 『ヅィメルマン』その6 フランス学士院への道
- 第27回 パリ音楽院ピアノ教授:ヅィメルマン その7
- 番外 ―パリ音楽院の名士たち Vol.2-1 アンリ・ラヴィーナ公開録音会
- 第28回 パリ音楽院ピアノ教授:ヅィメルマン その8 ―監察官時代(1848~1853)と最期
- 第29回 1830年代の音楽院ピアノ教材―アダンのピアノ・メソッド 第2版
- 第30回 パリ音楽院のメソッド 2― 『ピアニスト兼作曲家の百科事典』
- 第31回 『ピアニスト兼作曲家の百科事典』第2部と練習曲 その1
- 第32回 ピアニスト兼作曲家の百科事典』第2部と練習曲 その2 ━超絶テクニックの体系化
- 第33回 『ピアニスト兼作曲家の百科事典』第2部 その3―1830年代の最新テクニック
- 第34回 『ピアニスト兼作曲家の百科事典』(1840)第2部と練習曲 その4 ─パリ音楽院と外国のヴィルトゥオーゾたち
- 第35回 パリ音楽院とフランツ・リスト
- 第36回 パリ音楽院のピアノ教育と「ヴィルトゥオーゾ」 その1
- 第37回 パリ音楽院のピアノ教育と「ヴィルトゥオーゾ」 その2
- 第38回 パリ音楽院のピアノ教育と「ヴィルトゥオーゾ」 その3
- 第39回 院長ケルビーニの方針と教育現場の狭間で
上田泰史(うえだやすし)
金沢市出身。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学修士課程を経て、2016年に博士論文「パリ国立音楽院ピアノ科における教育――制度、レパートリー、美学(1841~1889)」(東京藝術大学)で博士号(音楽学)を最高成績(秀)で取得。在学中に安宅賞、アカンサス賞受賞、平山郁夫文化芸術賞を受賞。2010年から2012まで日本学術振興会特別研究員(DC2)を務める。2010年に渡仏、2013年パリ第4大学音楽学修士号(Master2)取得、2016年、博士論文Pierre Joseph Guillaume Zimmerman (1785-1853) : l'homme, le pédagogue, le musicienでパリ=ソルボンヌ大学の博士課程(音楽学・音楽学)を最短の2年かつ審査員満場一致の最高成績(mention très honorable avec félicitations du jury)で修了。19世紀のフランス・ピアノ音楽ならびにピアノ教育史に関する研究が高く評価され、国内外で論文が出版されている。2015年、日本学術振興会より育志賞を受ける。これまでにカワイ出版より校訂楽譜『アルカン・ピアノ曲集』(2巻, 2013年)、『ル・クーペ ピアノ曲集』(2016年)などを出版。日仏両国で19世紀の作曲家を紹介する演奏会企画を行う他、ピティナ・ウェブサイト上で連載、『ピアノ曲事典』の副編集長として執筆・編集に携わっている。一般社団法人全日本ピアノ指導者協会研究会員、日本音楽学会、地中海学会会員。