「作曲家に依頼して新しいピアノ曲を作ってもらう」(2021年12月16日更新)
いきなりこう聞くと「ハードルが高い」と感じられる方が多いかもしれません。いっぽうで作曲家への作曲依頼=新作の委嘱(いしょく)は、音楽家どうしの共同作業ですから、ピアノ指導者として、演奏家として貴重な学びの機会になります。このページでは委嘱の直接的・間接的なメリットをお知らせするとともに、皆さんの依頼に応えてくださる作曲家の方々をご紹介します。少しでも「委嘱」へのハードルが下がることで、ピアノ音楽文化が盛り上がることを願っています。
新しい曲を生み出すことは音楽文化の発展にとってとても重要だと直感されると思いますが、もう少し具体的な理由も考えてみます。
- 生徒さんの成長段階に合わせた発表会用の楽曲が足りない
- ブルグミュラーの次に何を弾いたら(弾かせたら)よい?
- コンサートプログラムに一味、個性を加えたい。
- 自分の演奏の特長を活かしたアンコールピースが欲しい
どれも一般的な悩みだと思いますが、その悩みを解決する方法の一つが「作曲家へ委嘱」ですが、下のようなことで敷居が高いと感じられるかもしれません。
- 誰にどう頼めばよいのか。窓口がわからない
- 費用はどのくらいかかる?
- 思い通りの曲が出来上がってくるのか心配
- 自分の希望をどのように伝えればよい?
多くの方が不安をお感じになると思います。
このハードルを少しでも下げるため、ピティナ会員の作曲家の方々に、委嘱を受けるに際しての条件を、可能な範囲で伺いました。下記の一覧にまずは目を通してみてください。「意外と身近」に感じられるかも?
ピティナ会員の作曲家の方々に情報提供をお願いしました。お応えいただける範囲で、依頼の条件を提示していただくとともに、作品紹介などへのリンクも設置しました。今後、新たな作曲家の方も随時加えていきますし、書かれている条件も変更となる可能性があります。
ピティナで作曲家の方々との連絡を橋渡しします。
- 現時点では、ピティナ事務局は最初のご紹介のみ関わります。実際の依頼決定や謝礼等のやりとりに関しては、当事者どうしでのご相談をお願いいたします
- 対応ジャンル
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- 料金
- まずはご相談ください。
- 作品紹介
- YouTube
- メッセージ
- みなさんは,もう死んでしまった人たちの曲を演奏することがきっと多いと思います。生きている作曲家に自分のための曲を作ってもらえるなんて,素敵な企画ですね。私も自分が生きているうちにみなさんのために曲が書けるのを楽しみにしています。
- 対応ジャンル
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- 料金
- 曲の使用目的にや規模により応相談。
- 作品紹介
- ピアノ曲事典
- メッセージ
- まずはご相談ください。
- 対応ジャンル
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- 料金
- ご相談ください。
- 作品紹介
- ピアノ曲事典
- メッセージ
- ご希望に応じた曲を作曲、編曲いたします。
- 対応ジャンル
- 2, 3, 4, 5, 6, 7
- 料金
- 1分10,000円をベースに、編成や難易度、ジャンルに応じて応相談。
- 作品紹介
- ピアノ曲事典
- メッセージ
- ピアノソロや連弾、2台ピアノのほか、声楽作品(歌曲・合唱)、室内楽作品、朗読のための音楽などメディアを超えた作曲も可。演奏者や委嘱元などパートナーとの対話による音楽づくりを大切にしています。
- 対応ジャンル
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- 料金
- 曲の編成や演奏時間によって変わります。お気軽にご相談下さい。
- 作品紹介
- ホームページ
- メッセージ
- 「こどものためのピアノ協奏曲 不思議の国の冒険」をコンクール課題曲として数年間に亘り取り上げて頂いたことがあります。そのような大きい編成からソロの曲まで、ご要望に応じて書かせて頂きます。創作過程でご意見を伺って曲想や難易度などの摺り合わせをすることも可能です。よろしくお願い致します。
- 対応ジャンル
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- 料金
- ピアノソロ小品10万円程度から。演奏会用小規模ソロ作品目安15万円程度から。演奏会用の本格的なソロやデュオ作品目安20万円程度から。多楽章や室内楽など大きな作品、目安40万円程度から。小規模協奏作品、室内アンサンブルなど目安50万円程度から、協奏曲目安100万円程度から(演奏家の皆様のご事情を考慮しますので相談ください。とくに経済的に余裕のない若い演奏家やコンサート企画者の皆様などには大幅に配慮します。)
- 作品紹介
- ホームページ/YouTube/ピアノ曲事典
- メッセージ
- 左手のピアノ曲は智内威雄さん舘野泉さんなどに演奏され、映画「にしきたショパン」にも使われています。作風は旧来の調性などにとらわれないと同時に自然で自由なものです。あくまで私自身の音楽観、様式で作曲しますので動画・録音や演奏会で作品に共感いただいた方に委嘱をいただければと思います。
- 対応ジャンル
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- 料金
- 基本料金:3分まで30,000円 以降1分につき10,000円 *編成等により異なりますのでご相談ください(お見積りを提示させていただきます)
- 作品紹介
- ホームページ
- メッセージ
- 小さな手のための作品を、これまでもライフワークとして作曲してきました。お子様がお話下さるイメージやお話をもとに、作品をふくらませていきたいと思います。発表会用作品もご相談ください。
- 対応ジャンル
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- 料金
- ピアノソロアレンジ作品は20,000円くらいから、ピアノソロオリジナル作品は30,000円くらいからを考えております。様々な制作経験を生かしてご希望に添ったご提案もできるかと思いますので、他編成など何でもお気軽にご相談ください!
- 作品紹介
- ホームページ/ピアノ曲事典
- メッセージ
- 私のこれまでの作品等を知っていただいた上でご相談いただけたら幸いです。どのような作品も全て区別なく大切に考えておりますので、じっくりお話をうかがってから委嘱をお引き受けしたいと思います。私自身、指導をしていた頃は毎年発表会で生徒さんのソロアレンジ、お持ちの楽器を用いたオリジナル編成でアンサンブルアレンジをしておりました。先生や生徒さんに喜んでいただける作品、舞台作りのお手伝いができたら大変嬉しいです。
- 対応ジャンル
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- 料金
- ピアノ・ソロや楽器、声楽とのデュオ作品(5分〜10分程度)の場合、30,000円から。5分以内の小品は12,000円からお受けいたします。曲数、内容によって、相談させて頂くことがございます。
- 作品紹介
- YouTube/ピアノ曲事典
- メッセージ
- まずは曲の完成イメージについて、綿密に打ち合わせをさせていただきます。お気軽にご相談ください。クラシックの声楽曲が得意です(コンクール受賞、委嘱多数)室内楽作品や、合唱も承っております。また、私自身ピアニスト・ピアノ講師としても活動しておりますので、様々な難易度の曲に対応しております。生徒さん、お子さんとの連弾曲、ご自身の演奏会でしか聴けないアンコールピース等、様々な方のお手伝いが出来れば幸いです。
- 対応ジャンル
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- 料金
- 初級作品30,000円より
- 作品紹介
- YouTube
- メッセージ
- 小さな手のための作品を、これまでもライフワークとして作曲してきました。お子様がお話下さるイメージやお話をもとに、作品をふくらませていきたいと思います。発表会用作品もご相談ください。
- 対応ジャンル
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- 料金
- 10000円〜。分数やレベル感に応じ、ご依頼毎に価格設定をさせていただきます。とりわけ2台ピアノや室内楽といった多人数編成、メドレーなどは長期の制作時間を要するため、数万円の報酬を頂戴する可能性もございます。
- 作品紹介
- YouTube/Piascore
- メッセージ
- ご覧いただきありがとうございます!ピアニスト・編曲家の、松本陽(まつもとよう)と申します。これまでクラシック音楽を軸に、ジャンルや形式を問わず幅広く演奏活動をして参りました。近年は各種SNSを窓口に、同業の音楽家向けに既存の曲をアレンジ/採譜し、楽譜を納品するなどしておりました。アンサンブル楽譜も多数実績がございますので、お気軽にご相談下さい(連弾・2台ピアノ・ボーカル・弦楽器・管楽器・室内楽・合唱 他)。
☆セールスポイント
- 原曲の魅力を最大限に引き出す創造力と忠実な再現力
- 和声学や楽典など、専門知に基づいた確かな採譜力
- 現役のプロピアニストならではの演奏者目線に立ったアレンジ
- ジャンル/時代/形式を問わない対応力
- 制作した楽譜の模範演奏音源も納品可能(別途料金)
「ハードルを下げる」一環として、ピティナで作曲家の方々との連絡を橋渡しします。ただしピティナ事務局は最初のご紹介のみ関わります。
- ○○のピアノアレンジをブルグミュラーくらいのレベルで作ってほしい!
- 超絶技巧を凝らした1分程度の曲がほしい!
などなど
- 上記の一覧や、作曲家のウェブサイトなどから希望に応じてくれそうで、示されている条件も無理がなさそうな方を探してみてください。
希望内容や予算、納期をお知らせいただきます。お申込み頂ける方は、現時点ではピティナ会員と、ご家族の方に限定いたします。
依頼内容で引き受けできるかどうかをピティナから伺います。 作曲家側で引き受けることが難しい場合には、ピティナからの連絡でその旨お知らせします。 委嘱に応じることが可能な場合、もしくは、条件を少し変更することで引き受け可能な場合などは、ピティナからの連絡、もしくは作曲家の方からの直接連絡となります。
条件が合致した場合は、作曲が始まることになります。覚書や契約書を取り交わすか、少なくとも、依頼条件や完成後の作品の取り扱い(手なおしや演奏実践に際しての諸条件)等についてよく話し合った上で正式に依頼する、お引き受けになることをおすすめします。
作品が完成したら、作曲家の方からピティナへご連絡をいただきます。
ピティナ・ピアノ曲事典への掲載や、オンデマンド楽譜販売の「ミュッセ」での発売によって、曲を世に広めることが可能です(公開は必須ではありません)。
- 依頼時の取り決めがない限り、作曲された楽曲の著作権は作曲家に属します。
- 著作権が作曲家に属する場合、依頼者の方であっても、演奏に際しては作曲家の方へ著作物利用の許可を得る必要があります。「初演の権利は依頼者が持つ」「依頼者による演奏に際しては請求をしない」といった取り決めを行う場合もあります。作曲家の方とご相談ください。
- 作曲家の方が著作権管理団体(JASRACなど)の会員である場合、著作権管理団体への手続きや著作物利用料のお支払いが必要となります。
- 謝金の滞納や作曲納期の遅れなどのトラブルに関しては依頼者の方と作曲家の方の二者で解決して頂くものとします。ピティナとして、損害賠償当に応じることはできませんので、ご承知のうえ、紹介サービスをご利用くださいませ(※)。
- 完成した曲についてはピアノ曲事典やミュッセを介したプロモーションが可能ですが、既存曲の編曲をおこなった場合など、著作権法の定めるところにより、情報掲載が不可能な場合があります。
- その他、依頼後に生じたトラブルに関しては、当事者間での解決をお願いいたします。
- 上記のようなトラブルが発生した場合は、ピティナ事務局にお知らせくださいませ。状況の改善を促す連絡を行うとともに、当該の作曲家の方への紹介を停止することがあります。
委嘱に際して、条件を検討し作品の取り扱いなどに関する取り決めをされてはいかがでしょうか。依頼されるかたと作曲者の間で交わす「覚書」「契約書」の例を参考情報として提供いたします。ダウンロードし、必要な改変をおこなった上でお使いください。
このような書面を取り交わし、条件を確認することは必須ではありませんが、不要なトラブルを事前に回避できる場合があります。すくなくとも、この書面中で触れられている項目については、依頼段階で確認されることをおすすめいたします。
楽曲創作にあたってのいろいろなエピソードを伺えたこと、作曲家が「楽譜」に記した記号等の意図を生きている作曲家ご本人から直接伝えて頂けたこと、そして音楽の表現方法が必ずしも一つではないこと、多くの事を学ぶ機会になりました。
その経験は昔からの偉大な作曲家の作品を演奏する際にも役立てられるものでした。まず、楽譜に書かれた事は点一つでも疎かにせず、きちんと読み解き、その上で自由な音楽表現へと踏み出す好奇心や勇気を頂く事ができました。
新しい曲の誕生に関わり、それを練習したりレッスンしたりすることは、さらに「濃い」学びの機会になると確信しています。双方の想いからどのような作品が生まれてくるのか、とても楽しみです。
また、ピティナ・ピアノ曲事典で演奏動画を発表する公開録音コンサートとして「世界に発信!日本のピアノ曲」と題したシリーズをプロデュースし、毎回若手の作曲家に新作を書いていただいています。もちろん全て世界初演です。
過去の名作を演奏する喜びは言うまでもありませんが、現代に共に生きる作曲家の作品に接することは、新鮮でより共感を覚える面もあります。いつも私は未知の世界を探検する冒険家の気分です。
さらに新作が生まれると、ピティナには、「ピアノ曲事典」で演奏動画を見ることができ、楽譜を作成する「ミュッセ」があり、広く多くの人が演奏できるような仕組みになっていることが素晴らしく、大変ありがたいと思っています。今回のこの企画により、作曲家の意欲が刺激され、演奏する側との間の相乗効果に期待しています。
依頼に際しては「作曲家の方と一緒に作る」という感覚を大事にしています。こちらのイメージを伝えるいっぽう、作曲家ご自身からレッスンをしていただくなどして「一緒にやり遂げた」感じが得られるのが、大きな魅力です。
そして、演奏する場所に因んだ内容にしていただいたり、プログラムのテーマに則して、ある作曲家をオマージュした曲を作ってもらうといった様々な試みによって、出来上がった音楽についても、もちろん思い入れが深いものになります。
自身で演奏するばかりでなく、発表会で生徒が演奏するアンサンブル曲などの委嘱も行うつもりです。
また作曲家の知り合いや、音大の作曲家に進んだ生徒が出始めたこともあって、若手の作曲家支援になれば、とも思っています。
ピアノ・コンチェルトや室内楽の新作の誕生とプロ演奏家・オーケストラ団体による演奏会での初演が可能になるような、大がかりな委嘱の例もあります。かつての王族・貴族に代わって現代の資産家や企業が「パトロン」となりえます。日本センチュリー交響楽団が支援を募っている以下の例では、作曲家の近藤浩平先生(ピティナ作曲会員)の発案によって募集が進められています。
※PDFファイルへのリンクです。
https://www.century-orchestra.jp/wp/wp-content/uploads/2021/11/f5cd158ebf6e5992712588d7c0b14639.pdf