のだめカンタービレ×ピティナ第8弾
クラシック漫画の金字塔、『のだめカンタービレ』とピティナがコラボレーション!新装版の発売日に合わせて、取り上げられているピアノ曲を特集いたします。ピアノ演奏とあわせて、また新たな「のだめ」の魅力をお楽しみください。
のだめの初リサイタルがブルターニュの町で行われることに。
はじめてのピアニストとしての仕事に張り切るのだめだったが、主催者は大のモーツァルトマニアだった!
苦手なモーツァルト攻めに、のだめ、まさかの大緊張!?
そして、かつての栄光を取り戻すべく新メンバーとともにマルレ・オケの改革に挑む千秋にも、新たな難題が立ち塞がり……!?
「楽しんで演奏するので 頑張って聴いてくだサイ」という伝説のセリフとともに、のだめの初のリサイタルがいよいよ開演!
モーツァルトの格好で演奏する最初の曲は「きらきら星変奏曲」。
1778年にパリで作曲されました。テーマは日本では「きらきら星」として有名なメロディー。子どもたちにも大変親しみやすいものですが、徐々にリズム変奏をしていくにつれ、もとのメロディーの面影はあるものの、多声的になるなど奥深さも併せ持っています。
モーツァルト自身による『自作目録』には、1789年7月の日付と共に「クラヴィーア用のソナタ」と記入されており、完成したクラヴィーア・ソナタとしては、最後の作品です。
その両端楽章は多声的な発展と動機の展開に主眼が置かれており、モーツァルトのクラヴィーア・ソナタ全曲の中でも異彩を放つ作品といえます。第2楽章についても楽章全体を通して、3声部を基本としており、当時、モーツァルトがバロック音楽へ深く傾倒していたことがうかがえます。
パオラの聖フランチェスコ(1426-1507)についても多くの奇跡が伝えられていますが、『波を渡るパオラの聖フランチェスコ』に掲載された伝説が良く知られています。それは、外見上の貧しさを理由に船頭から乗船を拒まれた聖人がイタリア本土とシチリア島の間のメッシーナ海峡を歩いて渡ったというもので、この奇跡は多くの画家たちの素材となってきました。
低音部でのユニゾンの序奏からはじまり、続いてホ長調の主題旋律がバスの伴奏に乗って朗々と歌われていきます。海峡の荒波を象徴するバスのトレモロが激しいうねりを打つのに続いて、鋭く突き刺す半音階の上行が繰り返し押し寄せます。暗く、長いこの苦境をついに乗り越えると、そこには神々しい主題旋律が待ち受けているのです。結尾では序奏のユニゾンが静かに再帰すると、最後は堂々としたアルペッジョで栄光のfffに到達します。リストの宗教的感動から生まれた劇的な音芸術です。
今を時めくピアニスト・角野隼斗さんの2018年セミファイルの演奏でお楽しみください。
1901年に作曲された《水の戯れ》は、パリ音楽院時代の総括に位置するとともに、リスト、シャブリエらの影響からラヴェル独自の作風へと昇華するきっかけとなった作品ともいえます。
タイトルはリストの《エステ荘の噴水Les jeux d'eaux a la Villa d'Este》に触発されていますが、ラヴェル自身はJeux d'eauという言葉によって、噴水そのものというよりも、光の加減とともに変化する水の色彩と音響を表現しようとしていたようです。
水の戯れを制御する噴水の規則的なリズムと形式性は、淡々と進む8分音符の動きとソナタ形式の原則によって表れ、厳密な調性進行とは異なる和声が変幻自在な水の色彩、音響を見事に再現しています。
のだめとの出会いを教えてください。
知人から「面白い」と聞いて、漫画を手に取ったのがきっかけです。全巻揃えて、テレビドラマも楽しく見ていました。
印象的だったキャラクターはいますか?
やはりのだめですね。純粋で、実はとてつもない情熱と根性をもち『好き』なものには一直線!というところに魅力を感じています
のだめの作中で描かれた、憧れの曲・好きな曲はありますか?
第9巻で、のだめがコンクールで弾く『ペトルーシュカからの3楽章』です。演奏中、「きょうの料理」の似たリズムがふと脳裏をよぎり、止まってしまうのだめ。真っ白になりながら、審査員も驚愕の即興で「まるで最初からこんな曲があったかのように」弾いてしまう!この演奏、私も客席で聴きたかったですね(笑)。笑ってしまいましたが、もし自分の身に起きたらと想像すると背筋が凍ります。改めて、のだめちゃんを尊敬しますし、そのセンスが欲しいですね!
小林さんは、小林さんは、イタリア・ペスカーラ音楽院を修了されていらっしゃいますね。イタリアの音楽院はどんなところでしたか?
私が通ったペスカーラ音楽院は、南イタリアのアドリア海に面し、のんびりとした街の中にたたずむ小さな音楽院でした。私がうかがった時、すでに先生は80歳を越えていらしたのですが、ゆっくりと階段をのぼられてレッスン部屋に着くと、突然若返り(!)冒頭の8小節だけで1時間... ハッカの飴を傍らに、何時間もぶっ続けでレッスンされる。
のだめの中にも登場しそうな美しいおじいちゃま先生で、先生が弾いてくださる香り高いモーツァルトのソナタに、衝撃を受けたのを思い出します。
2021年には山梨市観光大使就任されたとのこと、おめでとうございます!山梨市の魅力を教えてください。
山梨市は自然豊かで、葡萄に桃、苺、さくらんぼとたくさんのフルーツに溢れています。今の時期は桃の花が満開で、見渡す限りのピンク色、それに菜の花の黄色、ほとけのざの紫も敷き詰められ、青空の向こうにはまだ雪を被った富士山が見えて、本当に美しい景色になります。大好きな温泉もありますし、心豊かにしてくれる魅力的な街だなと感じます。この場所で、音楽を始め、芸術文化ももっと身近に感じていただけるような活動もできたらと思っています!
ピアノのどんなところが好きですか?
ピアノの、滴り落ちてから減衰していく響が純粋に好きです。
そしてピアノはソロでも、他の楽器とでも共演する喜びがありますし、時には1人でオーケストラの壮大なハーモニーをも担うことができ、魅力的ですね。
さいごに
のだめが傷つきながらも成長して行く中で、周りの方々からかけられる言葉は、当時学生だった私への言葉のようにも感じられ、ふと目の前が開けたように感じることもありました。のだめちゃんほどの天才っぷりではありませんでしたが(笑)のだめカンタービレに励まされ、涙し笑った一人のファンとして、たくさんのピアノを学ぶ方々に読んでいただきたいです!
『のだめカンタービレ 新装版』第8巻が4月13日(金)に発売!
全13巻で、毎月1冊ずつ発売予定。
表紙イラストは描き下ろし!
巻末描き下ろし漫画も4p収録!
ちょっと大きめのB6サイズ。
各書店にて、好評発売中!
新装版詳細ページはこちらのだめカンタービレ×ピティナ第10弾(2022/06/23)
のだめカンタービレ×ピティナ第9弾(2022/05/25)
のだめカンタービレ×ピティナ第8弾(2022/04/28)
のだめカンタービレ×ピティナ第7弾(2022/03/09)
のだめカンタービレ×ピティナ第6弾(2022/02/10)
のだめカンタービレ×ピティナ第5弾(2022/01/13)
のだめカンタービレ×ピティナ第4弾(2021/12/16)
のだめカンタービレ×ピティナ第3弾(2021/11/11)
のだめカンタービレ×ピティナ第2弾(2021/10/13)
のだめカンタービレ×ピティナ第1弾(2021/09/09)
二ノ宮知子先生スペシャルインタビュー