ピティナ調査・研究

のだめカンタービレ×ピティナ第5弾


のだめカンタービレ×ピティナ

クラシック漫画の金字塔、『のだめカンタービレ』とピティナがコラボレーション!新装版の発売日に合わせて、取り上げられているピアノ曲を特集いたします。ピアノ演奏とあわせて、また新たな「のだめ」の魅力をお楽しみください。

連載開始20周年記念! 国民的人気を誇るクラシック音楽コメディが、待望の新装版となって登場!!

最後の一曲が仕上がらないまま迎えたマラドーナ・ピアノ・コンクール当日。
"ねぐせドレス"のだめのはじめてのコンクールの結果は…!?
そして千秋もまた、次なる飛躍を目指しR☆Sオーケストラでの最後の公演を行う。
渡欧へ向け心浮き立つ千秋のそばで、のだめはまだ、動けずにいて――!?

作成協力:講談社

新装版第5巻 登場曲

「マラドーナ・ピアノ・コンクール」の本選が開幕。
のだめのコンクール選曲3曲をお楽しみください。

モーツァルトと母アンナ・マリアは、1777年9月にザルツブルクを発ち、ミュンヘン、アウグスブルク、マンハイムを経て、1778年3月にパリに到着します。この旅行の目的は、就職口を見つけることでしたが、その目的が達成されることはなく、パリ滞在中の7月には同行していた母親が帰らぬ人となってしまいます。弱冠21歳のモーツァルトにとって大きな悲しみであったことは想像に難くありません。

モーツァルトには珍しい短調のソナタ、彼自身の悲しみを反映させたものだという確証はありませんが、緊張感のある悲劇的な主題で絶え間ない16分音符の動きから、モーツァルトの心のざわめきが伝わるようです。。

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シューマンの劇的なエネルギーが一気に爆発した、明快な曲です。
第1、3、4楽章はいずれも急速なテンポで落ち着かず激しく進んでいきますが、その中で第2楽章はシューマンらしい魅惑的な叙情が静かに溢れ出た対比が特徴的。
第1楽章の速度記号は冒頭の「出来る限り急速に So rasch wie möglich」からはじまり、16分音符のユニゾンが続くコーダの開始部では「もっと急速に Schneller」と、そして第1主題が部分的に再帰する個所からは「さらに急速に Noch schneller」と記されています。何かに駆り立てられるような切迫感、「切れちゃだめだよ べーべちゃん」とドキドキしながらお聴きください。

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ペトルーシュカは、バレエ音楽《火の鳥》と《春の祭典》と並び、ストラヴィンスキー3大バレエの一つとして知られています。
このピアノ版は、ヴィルティオーゾとして名高い、アルトゥール・ルビンシュタインからの依頼で作曲されました。「過去のどの曲よりも難しいもの」とう条件のもと作曲されただけに、難曲中の難曲といえる作品に仕上がっており、ルビンシュタインはこの曲をレパートリーとしていたものの、その完成度に満足せず、録音を残すことは許さなかったといわれています。

ピアノ版は3楽章から成り、魔術師によって命をふきこまれた3体の人形(ペトルーシュカ、少女のバレリーナ、荒々しい性格のムーア人)の物語。ペトルーシュカは人間の心を持ち、恋をしますが悲劇的な最後を迎えてしまいます。

この曲をレパートリーとしている、谷昂登さんの演奏でお楽しみください。

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すべての長短調を網羅した24の前奏曲。
シューマンは「なにか素晴らしい壮大な構造物の残滓あるいはごく一部であるような印象を受ける」と評しています。実際、ここに含まれる曲には形式と呼べるようなものはなく、譜面も2-3段のものから2-3ページに及ぶものまで様々です。
これから何かが始まる、そんな「真っ白」なショパンを。

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のだめパリ留学編がスタート!

パリで初めての演奏はアパルトマンでのラヴェル「鏡」。5曲から成る組曲で、各曲はいずれも芸術家グループ「アパッシュ(レ・ザパッシュ) Les Apaches」の所属メンバーに献呈されています。ラヴェルの母の祖国スペインのリズムが多用され、スペイン風のギターの模倣もあり、タイトルもスペイン語で書かれた、スペイン風情緒に満ちた曲。 パリのアパルトマンでの国際色豊かなメンバーへの挨拶にぴったりの1曲です。

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<インタビュー>のだめファンなピアニスト

のだめとの出会いは?

「面白そうな漫画が本屋さんにあったよ!」と母が最初の2巻分を買ってきてくれて、読んでみたら沼のようにハマりました。
高校生まで、のだめがいつも身につけているピアノ柄のバッグを持って、先生のレッスンへ通っていました。のだめがいつも着ている服装や、お部屋の感じもいつも可愛いなーと思って見ていました!

そんな篠永さんが好きなキャラクターは?

千秋先輩です。ご飯も作ってくれて、音楽の面でも高め合えるなんて、理想の関係で最高です!

のだめの作中で描かれた、憧れの曲・好きな曲はありますか?

ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ第31番

スランプに陥り「疲れ果て心もない」状態ののだめが、この曲を演奏し、久々に演奏を聴いたミルヒーを感動させるシーンがあるのですが、実際どのような演奏をしたのか聴いてみたかったです。

のだめで特に好きなシーンはありますか?

沢山ありすぎて迷うのですが…!

フランス・サン・マロの教会で初リサイタルを行ったのだめが、お客さまへの挨拶で「楽しんで弾くので頑張って聞いてくだサイ」と言い間違えをするシーン。その気持ちはとてもよくわかるので、思わずクスッと笑ってしまいました。

オー・ドゥ・フランス国際ピアノコンクール第2位&特別賞受賞おめでとうございます!のだめもコンクールに挑戦しますが、篠永さんにとっての「コンクール」とは?

ありがとうございます!
コンクールを一言で表すのはなかなか難しいですが、やはり自分をアピールすることの出来る場、もしくは自分を知っていただくチャンスの場だと思います。

と言っても、コンクールは個人的にあまり好きではなく(むしろ嫌いです笑)、コンクールの前は、例えるならば、ジェットコースターで頂上に登る前に「なんでジェットコースターなんか、乗ってしまったんだろう……」と後悔に近い念に苛まれることがありますが、それに近い気持ちになります。

しかし、その緊張を乗り越えて、演奏後にお客様から嬉しいお言葉をかけていただくと、ますます頑張ろう!と思いモチベーションも上がりますし、たとえ失敗してしまったとしても、その時はこの世の終わりくらい落ち込みますが、今から考えると、無駄なことはひとつもありませんでした。全ての経験が糧となり、今の私に繋がっていると思います。

コンクールの緊張感というのは独特で、演奏会とも試験とも違うので、自分を成長させるために時々刺激を加えて、自身のピアニストとしての在り方を模索していくのにはうってつけの場だと思います。

海外のコンクールにも多数参加されていらっしゃるとのこと、印象的な出来事などありましたか?

スペインのコンクールで、田舎だった為カタルーニャ語しか通じず、晩御飯にハンバーガーを注文したつもりが、目玉焼きとベーコンのセットという朝ごはんのようなメニューがきて、その後演奏順を決める為の抽選に行ったら1番を引いたことがありました。他のコンペティターとオーガナイザーに同情…いや、激励(!?)の拍手をされたことは、今でも忘れられない思い出です(笑)

篠永さんはウィーン音大留学中とのことですが、海外の音楽大学はどんなところですか?

普段何気なく生活している街中の至る所に、偉大な作曲家たちのゆかりの地があるので、カフェや通りが作曲家にちなんだ名前となっており(「カフェ・モーツァルト」「ハイドン ・ガッセ(通り)」のような)、それだけで胸が高鳴りました!

また、道路を走っている車から大音量でショパンの練習曲10-1が流れてきたと友人が言っているのを聞いたこともあります。街中にクラシック音楽が溢れていますね。

最後に、篠永さんに取って、ピアノの魅力とは?

人間が感じる想いを全てを表現できるところです。

▼2015特級ファイナルの演奏はこちら▼
石川県金沢市出身。3歳よりピアノを始める。金沢大学人間社会学域学校教育学類附属中学校、石川県立金沢錦丘高等学校を経て、東京音楽大学ピアノ演奏家コース卒業。特別特待奨学生として進学し、同大学院器楽専攻鍵盤楽器研究領域修士課程修了。大学院在学中、ティーチングアシスタントを務める。その後渡欧し、ウィーン国立音楽大学ポストグラデュエート課程において、アンナ・マリコヴァ氏のもと更なる研鑽を積む。
2015年第39回ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリ、併せて文部科学大臣賞、東京シティフィル賞、読売新聞社賞を受賞。その他に、2006年第17回金沢市ピアノコンクール中学生部門金賞、及び金沢市長賞 、2008年いしかわミュージックアカデミーIMA音楽賞、2010年第11回ショパン国際ピアノコンクールin ASIA高校生部門アジア大会銀賞、2014年第17回金沢フレッシュコンサートオーディショングランプリ、第1回イモラ国際ピアノオーディションinJAPAN大学・一般の部第1位、2018年第37回飯塚新人音楽コンクール第1位、併せて文部科学大臣賞、朝日新聞社賞、飯塚市長賞、飯塚文化連盟賞を受賞。2020年第19回北陸新人登竜門コンサートオーディションにて優秀者に選出。また海外においては、2021年第4回Orbetello国際ピアノコンクール(イタリア)第3位、第39回Delia Steinberg国際ピアノコンクール(スペイン)第2位、第3回オー・ドゥ・フランス国際ピアノコンクール≪Les etoiles du Piano≫(フランス)第2位、及び特別賞(Prix de la Ville de Roubaix)を受賞するなど、国内外のコンクールで優勝、入賞を果たす。
大学在学中、「東京音楽大学ピアノ演奏会~ピアノ演奏家コース成績優秀者による~」、また「レインボー21サントリーホールデビューコンサート」に学生代表として2年連続出演する他、カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ」、ヤマハ銀座コンサートサロン、ベーゼンドルファー東京等にてソロリサイタル、及びジョイントリサイタルを行う。
その他、全国各地でのピティナ支部主催入賞者演奏会ゲスト出演や、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン丸の内エリアコンサート、日本財団、丸の内トラストタワー、アグネスホテル東京等でのランチタイムコンサートなど、ソロ・室内楽で多数出演。近年では、ピティナ学校クラスコンサートにおいて各地の小学校を訪問するなど、幅広く活動している。
国内だけでなく海外にも活躍の場を広げ、ポーランド 、オーストリア、イタリア、フランスなどの音楽祭や演奏会に出演。ソリストとしては、井上道義、渡邊一正、飯守泰次郎、前田陽一郎、カジミェシュ・ブジョゾフスキ、セルジォ・バイエッタ、アリー・ファン・ベーク各氏指揮、オーケストラアンサンブル金沢、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、サン=オートム室内オーケストラ、ポーランドインターナショナルフェスティバル室内管弦楽団、マスターオーケストラ、ピカルディ管弦楽団等と共演し、好評を博す。
これまでに、ピアノを前田千榮子、泉屋知子、小野隆太、清水目千加子、鶴見彩、多美智子、石井理恵、鈴木弘尚、仲田みずほ、佐藤彦大、鷲見加寿子の各氏に、室内楽を山田武彦氏、作曲を平井正志氏に師事。
その他、P.パレチニ、C.M.カン、P.ロジェ、A.ケフェレック、B.リグット、J.C.ペヌティエ、K.ケナー、M.ダルベルト、E.ヴィルサラーゼ、A.コブリン、J.ルヴィエ、A.ヒューイット、E.ポブウォツカの各氏をはじめ、著名な音楽家のレッスンを受講し、薫陶を受ける。
公式HP
Twitter
◆『のだめ』新装版情報

『のだめカンタービレ 新装版』第5巻が1月13日(木)に発売!
全13巻で、毎月1冊ずつ発売予定。

表紙イラストは描き下ろし!
巻末描き下ろし漫画も7p収録!
ちょっと大きめのB6サイズ。

各書店にて、好評発売中!

新装版詳細ページはこちら
(講談社ページへ)
新装版表紙
5巻の表紙はこちら!
◆公式Twitter
のだめカンタービレ【公式】
(@Nodame_Official)
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