ピティナ調査・研究

NHK「ピアノのおけいこ」紀要論文掲載報告

NHK「ピアノのおけいこ」紀要論文掲載報告

東京藝術大学社会連携センター紀要『arts+』(アーツプラス)に拙稿が掲載になりました。

ピアノ教育におけるNHK「ピアノのおけいこ」の意義 ─ 井上直幸が示した新たなピアノ教師像 ─(PDF)

NHK「ピアノのおけいこ」で井上直幸講師が示した新しいピアノ教師像について論じたもので、番組の分析を通じてそれまでのピアノ教育とは異なる点を指摘しています。執筆のきっかけは、ピティナ会員へのアンケートで、井上講師について「自分の先生と違って物腰が柔らかかった」「男性の優しい語り口に驚いた」「自分のレッスンに厳しさしかなかったのであまりの違いに衝撃を受けた」といった回答があったことです。
レッスンにおける「厳しさ」は、戦後に急激に発展したピアノ教育の一側面となっていました。1970年代に入ると、「ピアノのおけいこ」で新しい講師が登場するようになり、その中でも井上講師は穏やかな人柄や、音楽表現につながる指導で新しいピアノ教師像を全国に印象づけました。
これまでの研究を踏まえ、番組の成立過程、時代ごとの講師の変遷などについても言及しています。
アンケートに協力くださった会員の先生方や、連載をご覧の皆様に報告申し上げます。


※創刊当時の「レッスンの友」を探しています。

「レッスンの友」(創刊時編集長:河村昭三)というピアノとヴァイオリンのための雑誌をご存知でしょうか。1963年から発行されていた雑誌で、ほぼ定期購読のみで販売され、一部、YAMAHA銀座、池袋、渋谷の店舗で売られていました。創刊時は家庭芸術社という会社でしたが、後にレッスンの友社と社名を変更し、2012年会社の倒産に伴い廃刊となりました。
定期購読という流通の性質から、創刊当時の「レッスンの友」をなかなか探し出すことができず、大学図書館の保管で一番古いものが1964年9月号、国会図書館でも1968年以降のものしか保管されていない状況です。会社が倒産してしまったことから、「レッスンの友」の関係者の方にも「おそらく探すのは不可能」と言われています。

もし、お手元に1963年11月号から1964年8号までの「レッスンの友」がございましたら、研究の資料として拝見させていただけますと幸いです。拝見後に返却させていただきます。下記よりご連絡くださいませ。


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