【特集】音楽的感性を磨くためにできることは~アンケートより その2
【特集】音楽的感性を磨くためにできること
その2:アンケートより~実践例編
音楽鑑賞:様々な楽器の音色の体験を通して音色のバリエーションを増やす
コンサートに一緒に行く、案内をする、ということは多くの方がされていました。特にオーケストラやピアノ以外の楽器の演奏の鑑賞や体験は、「様々な楽器の音色が身につく」「ピアノで出したい音のイメージ、音色のバリエーションが増える」と、多くの方が勧めています。
ベートーヴェンの音楽などを理解するには、シンフォニーや弦楽四重奏などの音を想像できないと本質的な所は分からないのではないかと思っています。
ピアノは打鍵ですが、色々な音の出し方があることを学びました。
その他の芸術鑑賞:時代背景や雰囲気を感じる、様々な表現方法を知る
クラシック音楽は過去の時代に作られた音楽。オペラや美術鑑賞も、作曲家の生きた時代への理解を深める手がかりとなります。美術鑑賞は「今後取り入れてみたいこと」の一位となりました。
作曲家の生きていた時代の絵画などを一緒に観に行くことで、その時代の服装や階級、街並み、風景などを知ることができます。
オペラ鑑賞からは、音楽とともに時代背景も感じることができます。
バロックダンスを知ることで、拍子感やテンポ感、時代背景への理解が豊かになります。
クラシック以外のジャンルの音楽やダンスの鑑賞や体験も、表現の幅を広げるきっかけとなることもあります。
クラシック音楽以外の、ポップスや色々な国の音楽やダンスなどに触れることで、さらに音楽の楽しさを知り、たくさんの表現の仕方があることを学ぶことができました。
クラシック音楽以外の、ポップスや色々な国の音楽やダンスなどに触れることで、さらに音楽の楽しさを知り、たくさんの表現の仕方があることを学ぶことができました。
ダンスで豊かに身体表現することで、演奏している時にも身体を使っている実感を得やすくなります。
絵を描く:想像力を働かせて曲のイメージを膨らませる
芸術鑑賞の次に実践例が多かったのが「絵を描くこと」でした。
コンペなどで長く取り組む曲は、ストーリーを作って絵本を作らせています。指導者が予めアナリーゼして構成を準備しますが、生徒さん一人一人どんなお話にするかは自由なので、同じ曲でもみんな違う絵本になります。その子の心が一番動くお話にしています。
絵を描いてもらうことで、生徒さんの秘めたイメージが良く伝わり、個々の得意な表現が分かりました。
曲へのイメージを絵にすることで「より具体的で豊かに表現できるように」なるだけでなく、自分で考えて描くという行為を通して、「生徒がイキイキと取り組むように」なったり、さらには生徒の個性を指導者が理解する手助けにもなるということです。
読書、絵本の読み聞かせ:構成やイメージする力を学ぶ
様々な本を読むことや、絵本の読み聞かせは、約60%の方が取り入れたいと回答されました。
低年齢の生徒には絵本の読み聞かせを行い、様々な絵本を紹介したり、字のない絵本を音楽にのせて見たりしています。
様々な本を読むことで、イメージする力、構成力を強化することができます。
曲のイメージの参考になりそうな絵本や写真本を見せたりしています。上の年齢になると作曲家や時代の理解が深まる本を紹介しています。
自然体験や日常への眼差し:感じる心を養う
自然体験や、日常の体験へ目を向けることで、様々な音色や色彩、季節感、天候、時間、感情、匂い、肌感覚への感度を上げ、表現の語彙や手がかりの引き出しを増やします。
外に出て空を見たり、花を見たり、雨や風、雷、晴れ間の瞬間など、ちょっとしたことでも目を向けて感じてみることも、様々な場面につながって生きてくると思います。
まろやかな音色を出したい時にはフレアースカートのヒラヒラ感に例えたり、生徒の分かるイメージを探します。
教室に季節感を味わえる花を用意するよう心がけています。季節を感じる心からも、心の機微を感じ取り、繊細な表現ができるようにと願っています。
創作活動
様々な創作活動に力を入れている先生もいらっしゃいました。
工作をしたり、レッスンの前後にできるよう、知育パズルなどを置いています。手先の器用さだけでなく、創造性を育むことにもつながっていると思います。
創作(作曲)や即興演奏をレッスンに取り入れています。レベルに合わせて、リズムや音階を決めた作曲や伴奏づけから、絵本に即興で音楽をつけたり自由創作をしたりと、多様な創作体験を心がけています。自ら作る体験を通して、楽曲へ主体的に興味を持つきっかけになり、アナリーゼ力、表現力のアップにもつながると思います。
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