ピティナ調査・研究

第14回 ソナタ第5番 Hob.XVI/11 ト長調

ハイドンの世界
SONATA No.5 Hob.XVI/11 G: Presto-Andante-Menuet-Trio

私が初めてこの曲を通して弾いた時、舞曲のような作品だなと感じました。1楽章は3/8拍子、2楽章は2/2拍子、メヌエットとトリオは3/4拍子。4番ソナタの最終楽章と似ている1楽章のあとに、ト短調の美しいメロディーが特徴的な2楽章が入ります。この2楽章は、4/4拍子と、2/2拍子という二つの意見があり、今回私は2拍子を感じながら演奏してみました。最後の3楽章には、愛らしいユニゾンではじまるメロディーのあと、ホ短調のトリオが入り、ふたたびメヌエットに戻ります。

第1楽章
第2楽章
第3楽章
ハイドンひとことメモ
「第14回 ハイドンとモーツァルト その1」
ハイドンとW.A.モーツァルトは、お互いに影響を与えながら古典派の時代に活躍しました。モーツァルトは1756年生まれなので、1732年生まれのハイドンとの年の差は24。出会う前は、噂に聞く相手の音楽を意識し、出会った後もハイドンはモーツァルトに大きな影響を与え、ハイドンから様々な事を吸収したモーツァルトもまた、ハイドンに大きな影響を与えました。そんなハイドンとモーツァルトは、共に社会体制内で従属生活を強いられる中間労働者層であったこと、そして父親が美声の持ち主で音楽の才能があったことなどの共通点があります。そんな二人が、どのように出会い、どのような時を過ごしたか、次回から詳しく書いてみようと思います。