ピティナ調査・研究

第3回 ソナタ 第4番 ト長調 Hob.XVI:G1

ハイドンの世界
SONATA No.4 Hob.XVI/G1 G: Allegro-Menuet-Trio-Finale

曲全体を通して、下降する音系がうまく使われていて、少しおどけてみせているような、可愛らしい曲です。1楽章は、アウフタクトで始まる、4分の2拍子。このアウフタクトの音系が、1楽章のいたる所に出てきます。MenuetとTrioののどかな雰囲気の後には、賑やかなFinaleが始まります。途中、ト短調に転調し、緊張感のあるフレーズが聴こえてきますが、最後は再び華やかな雰囲気のうちに幕を閉じます。

第1楽章
第2楽章
第3楽章
ハイドンひとことメモ
「ハイドンの両親」
ハイドンの父親、マティアス・ハイドンは、ローラウ市場の判事であり、車大工職人でもありました。当時の主な交通機関は馬車でしたので、車大工は時代に合った職業でした。また、マティアスはテノールの美しい声をもち、歌いながら自らハープで伴奏する、歌が大好きな父親でした。母親のマリア・ハイドンは、宮廷の料理人で、子どもたちを幼少の頃から厳しくしつけました。家族で歌いあったり合唱をしたりと、明るく楽しい家族だったようで、この幼少の頃の環境が、ハイドンの音楽に影響しているのかもしれません。のちにハイドンは両親について、次のように語っています。「私の両親はすでに私が物心ついた頃から、清潔にすることと整頓をすることを、厳しくしつけてくれました。この二つは私の第二の天性になったのです。また、神を敬い畏れること、それから貧乏であったのでやむを得なかったのであろうが、倹約を旨とし、勤勉の心を持ち続けるように励ましてくれた事を、両親に感謝しています。」
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