010.音型が違うとテクニックは違う
曲の中には、いろいろな音型があります。
リズムが違う場合はもちろんですが、同じリズムでも、音型が違えば、同じテクニックは使わないのではないかと思います。
それを、全て同じ奏法で弾こうとすると行き詰ることが多く、美しくありません。
たとえば、16分音符ばかりで、音階でできている場合は、指先の重みを移すようなテクニックを使い、おなじ、16分音符ばかりでも、1拍ごとに音型があり頭の音がメロディーラインになっているような場合は、頭の16分音符に少し脱力した重みをかけ、ピンポイントに響かせ、後の16分音符は楽につながるように弾く、というテクニックを使っていると思います。
ただ鍵盤を上から下に下ろすという感覚でなく、どういう形か、どういう塊でできているか、どの音に向かっているかなどを考え、同じ弾き方ではない方がよい、ということを頭の隅において、その音型に合う弾き方を探してください。弾きやすく、重要な音が美しく出せていると、正解でしょうか?
コンペティションなどで、アルベルティーバスの伴奏の課題曲が多くあります。 公開レッスンなどで、とても重たい伴奏を弾いていたり、指が動きにくそうな方に出会います。多くの場合、ドソミソを全て同じ弾き方、強さで並べて弾いてしまっています。オーケストラの伴奏を考えると「ド」は低音楽器、コントラバスなどが拍頭の音のみ担当し、ヴァイオリンなどが、やさしい音色で、「ドソミソ」を弾くのではないでしょうか?
つまり、ピアノでは「ド」はコントラバスとヴァイオリンが重なるようなイメージで、深く太く響くように、重みをのせ、残りの「ソミソ」はやさしく重みをかけないで軽く弾くと立体感が出て、とても軽やかになります。まず、ベースの拍頭だけ弾いて、コントラバスのイメージを持って出し、残りは、「ミソミソミソ・・・」と重さをかけず、トリルのように軽く早く弾かせてみて、ドッキングさせると、簡単にできたことがあります!意外にコツをつかめば簡単になってしまうことがあります(^0^)
今回は「基礎テクニック一覧表」をご紹介します。(⇒こちら)今後の連載でもたびたび、この表を資料としてご覧頂くことになると思います。この表を見ながらご自分の弾きかたを思い返してみると、弱点が見えてくるかもしれません。練習に役立ててみてはいかがでしょうか。