ピティナ調査・研究

第1回 ソナタ 第1番 ト長調 Hob.XVI/8

ハイドンの世界

シンプルながらもハイドンらしさに満ちた一曲で、私が最初に弾いたソナタです。まだ手が小さく、オクターヴが届かない頃でしたので、オクターヴの箇所はどちらかの音をひろって弾いていたのが懐かしいです。
曲は一貫してト長調で書かれているのに、各楽章がこんなにも表情の違う曲に感じるのは、全ての楽章が異なる拍子で書かれているためかもしれません。

ソナタ第1番 ト長調 Hob.XVI/8
Sonate für Klavier Nr.1 G-Dur Hob.XVI:8
  • ウィーン原典版では第1番
第1楽章
第2楽章
第3楽章
第4楽章
ハイドンひとことメモ
「ハイドンの生きた時代」
ハイドンが生まれ、活動した18世紀は、日本では江戸時代中期、8代将軍徳川吉宗が享保の改革を行い、中国は清の時代の最盛期でした。末期にはフランス革命、アメリカの独立戦争が起こり、イギリスでは産業革命が始まりました。芸術では、文学者J.W.ゲーテやベートーヴェン第9番交響曲の原詩を書いたF.シラーなどが活躍し、「ぶらんこ」という柔らかな曲線と色使いで有名なJ.H.フラゴナール、ナポレオンの肖像画を描いたJ.L.ダヴィッドと、多くの才能が開花した時期でした。そして、ハイドンの没年には、エドガー・アラン・ポーやメンデルスゾーン、ゴーゴリが誕生しました。