ピティナ調査・研究

テーマ型情報交換会レポート: いま改めてオンラインレッスンを考える

新しい生活様式・新しいレッスンスタイル
「新しい生活様式」のレッスンが求められる中、感染予防対策を実施しつつ、対面とオンラインの特性を生かしたレッスン・指導・アドバイスを工夫している先生方がたくさんいらっしゃいます。「Stay at Home, Keep on Music」では、少しずつでも、各地の先生方の体験・情報・ノウハウをできる限り多く集め、この状況のなかでできることを応援してまいります。
テーマ型情報交換会レポート:「いま改めてオンラインレッスンを考える」

2021年10月21日(木)、テーマ型情報交換会が実施されました。「いま改めてオンラインレッスンを考える」というテーマのもと17名の指導者が集まり、現時点でのオンラインレッスンに対する所感、お悩みをお話しいただきました。たくさんのアイディアを共有しましたので、その一部をQ&A方式でご紹介致します。

オンラインレッスンの実施方法について
オンラインレッスンと対面レッスンの切り替えについてはどう判断されていますか?
  • 私の教室では対面希望者が多いので、「学校に行ける」状況であれば対面で実施しています(N.C.先生/神奈川)
  • 状況に応じて、その都度レッスン方式変えて対応していました。最初の緊急事態宣言ではじめてオンラインを導入し、宣言終了で対面に切り替えました。3回目の緊急事態宣言ではどうするか迷いましたが、念のため1か月くらいはオンライン。感染者数が爆発的に上がっていた時もオンラインにし、感染者数が減ってきた、あるいは生徒からの要望があったときに、対面に戻していました。(三葛 朋子先生/東京)
レッスン料のやり取りはどのような方法を取っていますか?
  • 銀行振込とPayPayの開設をしました。今の所、PayPayで支払っている方はいない状況です。振込手数料が発生してしまいますが、「銀行振込が便利」と認識している親御さんが多く、現状はご負担いただいています。(C.M.先生/東京)

確かに振込手数料はひとつネックになるところですよね。squareというクレカ決済で対応している先生もいらっしゃいます。(本部事務局)

オンラインレッスンで手元を映すときどうしていますか?
  • 保護者の方にお願いをしてアングルを調整してもらっています。自分の手元を映したいときは自分で移動して見せています。(佐々木 智子先生/東京)
  • zoomで簡易的なWebカメラを使って、手元と全体が映るように2つのアングルを用意しています。それを見て2つのアングルを用意してくれた生徒さんもいらっしゃいました。(M.I.先生/東京)

2つのデバイスを利用する場合は、アカウントは2つ用意しますか?(佐々木 智子先生/東京)

  • はい、アカウントは2つ用意しています。とくにラグを感じたことはないですね(M.I.先生/東京)
  • スマホは5G、パソコンは無線接続など、回線速度が異なる2つのデバイスをつないでいるとタイムラグが生じる可能性があります(本部事務局スタッフより)
ケースごとの対処法や工夫
小さい方へのオンラインレッスンで工夫していることはありますか?
  • ぬいぐるみを活用して楽しくレッスンしています。音の強弱・イメージなどもぬいぐるみで表現して興味を引き出しています。(北村 明子先生/埼玉)
  • いろんな楽器を利用して、音色の違いで興味を引き出しています。(駒井 久美子先生/山梨)
  • 画面共有しながら一緒にリズム打ちなどしている。あとは「いいね」とか「花丸」のイラストを画面に出して集中力が続くよう心がけています。(菊地 有紀先生/神奈川)
対面レッスンと併用ができない生徒への指導について…

三葛先生は、外国在住の方(8歳の男子)が生徒さんにいらっしゃるそうですが、オンラインでしかレッスンの出来ない方に対して何か工夫している点はありますか?(本部事務局スタッフ)

  • Zoomのホワイトボード機能を活用しています。リズム打ちなどソルフェージュ的なことも取り入れながら、最終的には曲の完成度を見て習熟度を確認しています。(三葛 朋子先生/東京)
  • 私自身が今、外国にいる先生からzoomでオンラインレッスンを受けています。通信環境は難しいところもありますが、コミュニティが継続できるメリットもあると感じています。(大谷 緑先生/京都)
レベルが上がってきた生徒へのオンラインレッスンの工夫について…
  • 大学生(教育学部)にもオンラインレッスンをしています。大体のことは把握できると今のところ感じています。ちなみにFace Timeの音質が良いと思っています。(C.M.先生/東京)

音質についての話題が出ましたね。より良いオンラインレッスン環境をつくるためのシンクルームの活用事例をこちらからご紹介しておりますので併せてご覧ください。(本部事務局)

生徒が自宅で練習する際に、オンラインの補助的な利用はしていますか?
  • 主に中高生に対して、時間がない中で練習できるようにレッスン中に撮影した動画にアドバイスコメントを付記して送るようにしたところ、自宅学習の質が上がりました。レッスンの効率化を図るために導入しています。(S.S.先生/栃木)
  • 課題を弾くのと併用して、リズム打ちや音符の読み方などのソルフェージュを(オンラインで)行っています。(佐々木 牧子先生/茨城)
参加されてのご感想
  • オンラインレッスンの賛否は様々ですが、対面レッスン、オンラインレッスン両方活用することにより、もっと幅広い層にピアノを習っていただけるのではないかと考えるようになりました。(この交流会に参加して)この時期に対応すべく環境を整えてまいりたいと思いました。(駒井 久美子先生/山梨)
  • コロナ禍対策でオンラインレッスンを積極的に取り入れておられる先生方のスタンス、方法を伺い大変刺激を頂きました。対面レッスンの代替だけでなく、レッスンの補完という使い方にも目を開かれました。ありがとうございました。(白井 淳子先生/京都)
☆参考情報

「新しい生活様式」でのレッスンが試行錯誤でスタートしています。小さな気づき、失敗談、試行錯誤を含めた多くの情報・体験談をお寄せいただき、先生方お一人ごとのレッスンをカスタマイズするサポートができればと願っています。「生徒に寄り添って、今できる、私なりの指導」を皆様と一緒に模索していきます。注)各事例を「推奨」するものではありません。また、各記事はその時点の状況です。

情報提供・協力者を募集中です。小さなこと、些細な気づきや経験こそ、是非お寄せください!

アンケートフォームはこちら