ピティナ調査・研究

ピアノの学びに ピアノ曲事典の活用術~オーディション第三期「ソナチネ!」開催決定&名所めぐり

ピアノの学びに
ピアノ曲事典の活用術
オーディション第三期「ソナチネ!」開催決定&名所めぐり

2021年のゴールデンウィークも残念ながら新型コロナウイルス流行の終息はならず、昨年に続いて「Stay at home」の方も多くいらしたことでしょう。思うままに外出できないのは残念なことでしたが、目標をもってピアノの練習にとりくんだり、新たな学びのチャンスでもあり、充実した時間を過ごされた方もいらしたことと思います。
連休中はライブ配信を入り口としてピティナのYouTube動画をご覧になった方が増え、新たにチャンネル登録をされる方は普段の倍以上に達しました。このページではピアノ曲事典を使った学びの方法をご紹介します。


ピアノ曲事典オーディション第三期「ソナチネ!」

盛況となった第一回「ショパンの日」では約240第二回「LVB250」では95もの演奏動画がピアノ曲事典からリンクされました。第三期のテーマは「ソナチネ」。古典期のソナチネに取り組んでいるというピアノ学習者の方はもちろんのこと、特に「ピアノでの学び」「基礎」の段階にある方にご参加いただきたいと思います。普段練習しているお気に入りの一曲で「ピアノ曲事典」での掲載を目指してみませんか?

  • 皆様がお持ちのYouTubeチャンネル(個人でもお教室のチャンネルでも可)にアップロードされた動画を審査します。
  • 審査員の評点の結果「入選」の動画へのリンクをピアノ曲事典の楽曲ページに掲載します。
  • 「公式採用」となった場合は、チャンネル登録者数11万人の「ピティナ・チャンネル」への掲載も可能です。
  • 審査員からの演奏へのコメントやアドバイスがもらえます。
5月13日(木)エントリー開始予定

アマチュアの方々やピアノ学習過程の皆様の演奏、皆様の演奏される動画すべてが「日本のピアノ音楽文化の成果物」であるという考えのもと、極力多くの演奏をご紹介することを目的としています。ぜひ挑戦してみてくださいませ。

  • 第三期では「ソナチネ」のテーマにあった、古典期のピアノ曲に詳しい審査員をお迎えしますが、「自由曲部門」もあります。

エントリー締め切りは7月4日(日)動画提出は8月初旬。結果発表とピアノ曲事典上での紹介は9月上旬予定です。


ピアノ曲事典の名所めぐり

作曲家や作品について調べたいという動機で来られる方が多いと思いますが、時に「寄り道」されてはいかがでしょうか。70000曲以上、10000音源以上が登録されているピティナ・ピアノ曲事典の中には「知られざる絶景」もあります。いくつかご紹介します。

1. 動画アクセスランキング

ピティナ・ピアノ曲事典のトップページでは直近の一週間ぶんの動画アクセスランキングを掲載しています。2018年グランプリで、ご自身のYouTubeが大人気の角野隼斗さんや2020年特級ファイナリストなど、若手ピアニストたちの人気ぶりが際立っています。

YouTubeチャンネルからは全期間のランキングも観ることができます。過去10年以上にわたって人気を集めてきた動画をいくつか観て頂くと、映像や音響の進化を真っ先に感じられると思います。また、演奏スタイルの変化といった、音楽内容の学びを得られるかもしれません。

2.音源提供数第一位!赤松林太郎先生の演奏動画

全国のコンサートやセミナーでもお馴染み、赤松林太郎先生(ピティナ正会員)は公開録音コンサートに30回以上出演されている、ピアノ曲事典にとって最大の功労者でもあります。

赤松先生の演奏による470点もの動画コンテンツの中から、室内楽や編曲作品など、普段触れる機会がすくない音楽を試しに聴いてみませんか。

赤松林太郎先生の演奏動画一覧

室内楽や編曲作品よりピックアップ
ハイドン:ピアノ三重奏曲 第43番 Hob.XV:27 1. 第1楽章

多くの室内楽を「公開録音コンサート」で収録されている赤松先生の動画の中から、音の状態が良い一曲を。

ヒンデミット:フルート・ソナタ

独特の美しさをもつヒンデミットの作品群。今後情報充実を目指したい作曲家の一人です。

ラヴェル(ジロティ編):カディッシュ

赤松先生執筆による解説文や原曲が聴ける動画へのリンクもあり。演奏の美しさも情報の充実も際立つページです。

3.ピアノ曲事典のコンセプトに深く関わる金澤攝さんの活動

ピアノ曲事典の編集は、世界的にもユニークな活動をされている音楽家、金澤攝さんによる音楽の「時代の風景」を見せるというコンセプトに強く共鳴してきました。

金澤さんが近年演奏されるのは1820年代生まれの作曲家作品。つまり150年ほど前に作られた作品が多いのですが、他ではきいたことが無い名前の作曲家による、おそらくは国内初演になる曲ばかりです。単に珍品を求めて知られていない曲を弾き続けているわけではなく、ショパンと同世代から少し後の19世紀中葉という時代の音楽の「全体像」を見通すことが目的です。数百人から千人以上の作曲家による数千、数万曲の譜読みされ、実演するという活動をされています。

その中から衝撃的な音響を持つドルドヴェーズの「未来(1869)」と、「モシュコフスキ風」と題された自作曲をぜひお聴きください。

ドルドヴェーズ:未来
金澤攝:即興曲 嬰ハ短調――モシュコフスキ風に

現在進行中の連載「生誕二百年を迎える音楽家群像」はこちら

4.サン=サーンス記念イヤー

ピティナのトップページの作曲家ピックアップに期間限定で「サン=サーンス」を追加!

ピアノ曲事典 サン=サーンスページへ

サン=サーンス研究者の中西充弥先生による「超」充実の解説文や連載記事「旅するピアニスト サン=サーンス」もぜひお読みください。

5.YouTube番組 ピアノ曲事典の歩き方

音楽研究者である上田泰史さんとピアノ曲事典編集者との対談番組「ピアノ曲事典の歩き方」が公開中。季節ならではの話題なども交えて不定期連載します。

第1回~第3回までの再生リスト