ピティナ調査・研究

興味を持ったことは、やってみるが吉!

スタート!ピアノ教室

興味を持ったことは、やってみるが吉!

背中を押してくれた母

「興味をもったことはどんどんやってみな!最終的にあなたのためになるよ。」これは、母が私にかけてくれていた言葉です。
私は小学2年生より東京音楽大学付属音楽教室に通い、試験やコンクールなど課題に追われていました。中学生になると、母から「スポーツで体を鍛えた方がいいよ」と後押しされ、負担は大きかったですが陸上部に入部しました。砲丸投げに打ち込み、その結果大会で入賞もでき、良い思い出となっております。上下関係や礼節を重んじ、チームのために行動することの大切さを学びましたね。高校時代は、母から「社会勉強もした方がいいよ」と助言をもらいファストフード店、テーマパーク、映画のエキストラなどのアルバイトを経験しました。様々な職種に取り組んだことで多面的に成長できたと思います。これらの経験は、ピアノ講師になった今、教室の運営や、保護者の方とやりとりをする中で生きていると感じています。
また、音大時代には、ピアノに打ち込みながら、並行してドラムとヒップホップダンスを習っていました。ドラムは昨年まで続けており、ドラムの先生には私の教室の大人の生徒さんを対象に企画したジャズバーでの音楽パーティーに出演していただき、生徒さんとのセッションをお願いしました。様々なことに興味を持ち、行動したことにより、多くのご縁に恵まれ自分の世界が広がったと感じています。母には今でも感謝しています。

大学在学中から本格的に指導を開始

母もピアノ指導者だったので、音高時代から指導の手伝いをする機会に恵まれました。音大入学後は本格的に指導を始めたいと思い、3年生の頃に自分の練習室をレッスン室として教室を開講。チケット制レッスンから始めました。
現在は実家の稲毛と転居した大綱白里の2箇所で教えています。4歳〜50代の方まで在籍しており、小学生の生徒さんを中心に指導しています。教材は主に、呉暁先生の「リズムとソルフェージュ」や「うたとピアノの絵本」、「オルガンピアノの本」、「ぴあのどりーむ」、「ピアノひけるよジュニア」などを使用しています。レッスン生の中には、たくさんの習い事でお忙しい方も多くいますが、「ぴあのどりーむ」や呉暁先生の教材は生徒さんそれぞれのペースに合わせて進めやすいので活用しています。
2020年の緊急事態宣言の時期には、マイクやミキサーをそろえ、オンラインレッスンを開始しました。それをきっかけに、シンガポールに転居した生徒がレッスンを再開し、友人も紹介してくれたりと、輪が広がりました。

ステージで得られる経験を大切に

人前で演奏を披露することは、何物にも代えがたい経験です。たくさんのステージを経験させてあげたいという思いは教室開講当初から一貫していて、まずは他の先生との合同勉強会から始めました。現在は、半年に1度のサロンでの勉強会と年1回の発表会、ハロウィンパーティーやクリスマスパーティーなど、様々なステージを用意しています。
コロナ禍で発表会を開けなかった時期は、教室で演奏した動画をYouTubeに載せたり、ZOOM発表会を開催したりして、演奏を聴いてもらえる機会を設定しました。今後は、静かに演奏を聴くコンサートだけでなく、全身で音楽を感じられるダンスと音楽のコラボレーションなど、新たな音楽の楽しみ方を拡張するような企画を実施できたらと思っています。

多様な経験が自分の世界を広げていく

2021年に第1子が生まれ、大きく環境が変わりました。大変でありますが、「我が子」という存在、そして「母としての私」と向き合う経験は新たな発見の連続です。
指導と並行し、出産前後も演奏活動を継続しているのも、舞台だからこそ出会える共演者や観客の方がいるから。音楽以外の活動に取り組むのも同じ理由で、関わる分野が多いほど多くの人とつながることができます。周囲の方との交流によってもたらされる新たな知識、感情、経験が私の原動力になっていると思います。今後は、「コンサートへ足を運ぶことが難しい方々」に向けた企画にも取り組みたいですね。
そして、生徒にも多様な芸術や人々と関わる経験を提供したい。そんな風に思うのは、いつでも私の挑戦の後押しをしてくれる母の影響なのかもしれません。

定方美香

東京音楽大学附属高校、同大学ピアノ演奏家コース卒業、同大学院修士課程修了。 ソロのほか、ピアノ・ユニットM2で演奏活動を展開。2019年千葉芸術文化塾にて講師を務める。現在、美香ピアノ教室を主宰し千葉市と大網白里市の2か所で後進の指導にあたる。

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