ピティナ調査・研究

20代で教室オープン 広報に創意工夫

『20代のうちに自分で教室を開く』目標を実現!

不安はあったけれど、後悔したことはない!

 小さいころからピアノを習っており、音楽全般が好きな子どもでした。小学校6年生の時には「将来の夢はピアノの先生」。その後、地元の高校の音楽科を経て武蔵野音楽大学へ進学しました。

 大学4年時には一般就職も頭をよぎりましたが、やはり今までずっと生活の中心にあったピアノが「人生の主軸」ではなくなってしまうことに違和感を覚え、「ピアノの先生になろう」と初志貫徹!指導者の道へ足を踏み入れることを決意しました。もちろん当初は不安もありましたが、後悔したことはありません。

「20代なら失敗してもやりなおしがきく!」と思ってチャレンジ

 卒業後は、まず個人主宰のピアノ教室2か所で講師として勤務を開始、ピアノ指導者としてのスタートをきりました。と同時に、勤務先からの勧めもあり、教材研究の講座に一か月に3回くらい足を運び、指導に対する学びを深めました。
特に初めの頃は、導入期の子どもの指導で手詰まりになってしまう場面もありましたので、必死になって勉強しながら自分の引き出しを増やしていきました。現在、導入期の教材はバスティンをメインに使用していますが、バスティンとの出会いや活用法を身に着けたのもこの頃でしたし、他にもミュージックキーシステムの指導法なども勉強しました。

 大学卒業後、まずは講師として勤務というかたちをとりましたが、「20代のうちに自分の教室を開きたい」と考えていたこともあり、2016年年に本格的に物件探しを始めました。

現在教室として使用しているこの部屋は、音楽専門物件を扱う不動産屋ではなく、普通の不動産屋を経由して巡り合いました。防音の部屋で商業利用が可能です。徒歩1分圏内に、小学校・中学校・保育園、少し離れて幼稚園。生徒さんが通いやすい立地ではないでしょうか。

意外な広報?!電柱看板

 広報準備は、Webサイトとチラシの作成からしました。どちらも自作ですが......実はパソコン操作が大の苦手なので、スマートフォン向けの作成サイトで作りました。とにかく「自分にも分かりやすい」ということで、デザインよりもシンプルであることに重きを置いています。

 チラシもWordで作成しました。当時、画像編集などはできなかったので文字情報のみのチラシでしたが、文言はかなり研究し自分なりに頑張ってみました。ポスティング業者も依頼し2,000枚配布。結果、チラシを見て、という方も数名お越しいただきました。

 現在はあわせて電柱看板も掲出しています。教室から徒歩圏内、小学校の前と幼稚園の前の計2か所、もちろん場所にもよるとは思いますが費用が意外と安価で、そしてみなさん結構目にしてくれます。

ミモザ色の電柱看板。
子ども1人1人の成長を長いスパンで見守れる仕事

 やはりピアノ指導者という仕事の魅力は、子どもの「頑張っている顔」を間近で見られることだと感じています。子どもたち1人1人の長いスパンでの成長を見守れる立場であることが、私自身の成長にもつながっていると感じています。

 現在(2018年4月取材時)私立小学校の音楽教師としても教鞭をとっておりそちらの仕事も並行しています。指導者になるにあたって常に考えていたのは「視野を広くもてるようにいたい」ということでした。ピアノ指導は"ピアノ"に照準が寄りますが、小学校での音楽の授業の場合、音楽が好きな子もいればそうではない子もいますので、幅広い子どもたちに向けていかに音楽全般を学んで・体験させるか、ということを考えます。
どちらもそれぞれ学びが大きく、私としては「両輪あって」自身の指導スタイルを実現しているものと感じていますので、できれば引き続きこの形で仕事をしていきたいと考えています。

 また、この秋から新たに教室に勤務してくださる先生を2人採用し、生徒さんの新規募集を大きく開始しました。より、活気のある教室を目指していきたいです。

自分の教室を開き3年目。新しいステージに足を進めていくことを楽しんでいきたいと思っています。

▲ピアノ指導者を目指す現役大学生に向けて、音大卒業後のキャリアパスの紹介。
学生たちから質疑を受ける様子。
重田 有香

群馬県出身。4歳よりピアノを始める。白鷗大学足利高等学校音楽科、武蔵野音楽大学音楽学部器楽学科ピアノ専攻卒業。現在ミモザピアノ教室主宰、都内私立小学校音楽科非常勤講師。中学校教諭一種免許状(音楽)取得、高等学校教諭一種免許状(音楽)取得、リトミック初級・中級指導資格認定取得。