第33回 小さい生徒へのペダルの指導法 根津栄子先生
私の場合、出来るだけ早い時期(4歳くらい)からペダルの練習をさせています。と言っても実際にピアノのペダルを踏ませるのではなく、小さな子供でも届く足台に、カスタネットを2つ横並びに付けて踏ませます。
1)足台に2個のカスタネットをガムテープで固定し、かかとを付けてつま先で踏んで遊ばせてみます。
2)先生も同じように足台に2ヶのカスタネットを付けて、「右・右・右」「左・左・左」「右・左・右」「左・右・左」などと、先生の真似をさせます。
3)先生のお手本で、様々な拍子とリズムを刻みます。2拍子、3拍子、4拍子。4分音符、8分音符、付点音符など。そしてタンタッカタンタンなどのリズムを刻んでみます。
☆かかとが上がってしまわないように、先生はいつも注意を促しましょう。
以上のように、ペダルを踏む足も、手と同じように幼少時から自在に動くように訓練していくとよいと思います。
私は4歳くらいでもペダルを入れた音の感覚を感じてもらいたいので、必要な場所では積極的に踏ませています。
『ハープ』(ドミソドミソド〜(左531右135左531右2〜)などのアルペジオ)をワンペダルで弾く練習をする時には、踏んだ瞬間に身体が前に倒れないように注意しましょう。
同様にソシレソシレソ〜、ファラドファラドファ〜と、様々な調性で進めます。これは、意識して練習すれば小さい子でもすぐに出来るようになります。
少し年齢が進んだ生徒には、『カデンツ』(I- V7 –I/ I - IV- V- I /I - IV - V - V7 – Iなど)の和音を、濁らず両手でレガートで弾く練習をします。この訓練により、耳を使って美しい和声をペダルを使用して響かせることができる子供に育ちます。
耳を育てるためにも、ピアノを始めて1年くらい経った頃から、是非ソフトペダルを指導したいものです。
椅子に座った状態でピアノの中をのぞかせ、グランドピアノの簡単な構造を説明します。ソフトペダルを踏むと鍵盤全体が右にずれてハンマーが叩く弦の数が減る事を、目で見せると同時に耳で音量確認もします。
ソフトペダルを使いこなすには、目で見る視覚、耳で聴く聴覚、頭で考える頭脳、指で弾く演奏という、『鋭い感性と研ぎ澄まされた感覚』が必要不可欠となります。
-
【eラーニング】チェルニー30番って難しい? -楽しく練習曲を指導するための大事なコツ!-
根津栄子先生のアイディア満載の指導法はeラーニングでも閲覧いただけます。 - レッスン室拝見(2008年掲載)
アイディア満載のレッスングッズも紹介されています
◆お悩みQ&A 質問募集中!
経験のある先生に聞いてみたい、ちょっとした不安や疑問など、下記のフォームよりお寄せください。 質問が採用されると、翌週以降、WEBページにて、ベテラン指導者の回答を掲載いたします。
質問投稿フォーム