第12回 コンペ練習と勉強を両立するには 本多昌子先生
中学生になり、学校や生活のリズムが小学生の頃とは変わったところで、コンペに参加されるのは、それだけでとても素晴らしいことですね。
本番前に「通し練習」をしておきたいという気持ちはとてもよく分かります。
いかに本番で練習の成果を発揮できるか、と考えた時に、練習時にできるだけ本番と近い状態で弾いてみることをお勧めします。
例えば、本番の前は、指ならしをすることなく、いきなりステージのピアノに向かわなければならないことが多いので、自宅での練習も、「通し練習」をするならば、「ピアノの蓋を開けて最初」のタイミングで通して弾くと、より本番と近い状態で弾くことができると思います。同じ回数弾くならば、まとまった練習時間の中で続けて弾くよりも、勉強の後や食事の後など、何度かに分けて細切れの時間を利用し、他の事をした後にパッとピアノに向かって通し練習をする方が、効果的かもしれません。
本番が近付いた段階での部分練習は、左手だけや、曲の冒頭部分の練習も良いと思います。
どうしても、両手で弾く時には、メロディーラインのある右手の方に耳が行ってしまいますので、暗譜を確認する意味でも、左手だけ取り出して練習しておくと本番での確実性が増すと思います。
また、曲の弾きはじめというのは、なかなかすぐにペースを掴むのが難しい部分です。弾きはじめが上手く行かないと、後に引きずってしまうこともありますが、最初が上手く行くと、その後も良い波に乗っていきやすいので、曲の冒頭部分を取り出して練習、確認しておくのも効果的ですね。
「勉強が忙しくて、ピアノを練習する時間が取れない」ということもあるかもしれませんが、勉強もピアノもどちらも集中して頑張れる時は、集中力の両輪が上手く回って、どちらも成果が上がることも多いです。
限られた時間を有効に活用して、勉強もピアノも、どちらも目標に向かって励まれることを願っています。
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