第9回 本番直前のトレーニング方法 池川礼子先生
コンペ当日、一度もピアノに触れず弾かなければならないことは、とても辛いですね。でも、そういうことも多いと思います。
まず、それを親が心配しすぎないことですね。すぐ子どもに伝染しますので、必要ないプレッシャーになりかねません。
でも、実際に指を動かす準備は、しておくと良いと思います。
以前、会場に行く車の中で、洗濯バサミを親指と各指を使って動かしながら向かった人が、思わぬ賞に繋がったそうです。
朝、まだ筋力が眠っているのを目覚めさせることになったのでしょうか。
冷房で冷たくなった指も動きにくいです。指を温めるためにも、洗濯バサミを使わなくても、指の付け根から意識して1つずつ開いていくなど、指のウォーミングアップをすると良いと思います。
会場で待っている時間は、楽譜の上で指を動かすと、音がして、他の人の邪魔になってしまいますので、足のモモの上で、動かすと良いと思います。自分の足に指を乗せることで、どのくらい重みがかかっているか、確かめることにもなります。
余裕を持って早めにホールに入り、響きを聴き確かめ、イメージトレーニングすることも良い結果を生むと思います。
コンペはその日の結果ではなく、それまでの過程が大切です。とはいえ、いつもの状態を心も指も用意し、準備してきたものを、充分発揮してください。
ピアニストになった生徒がコンペに参加していた頃、「いつも、どんな初めてのピアノにも、音を出した瞬間お友達になろうと思う」と言っていました。
ステキな音を本番でも楽しんでください!
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