第7回 ホールでの練習で気をつけたいこと 根津栄子先生
本番前のホール練習では、普段のレッスン室では出来ない内容に特化した指導やアドバイスが出来ると良いですね。私が考える本番と同じホールで演奏、レッスンをする際のポイントをまとめてみました。
☆ホールトーンによる響きの違いを知る
レッスン室とは違い、ホールにはホールトーンがあります。 そこでタッチと同じように、ペダルでレガート、アクセント、ビブラート等、沢山のペダルの踏み方を使い分けることが必要になります。ホールで練習する際には、いくつかのペダルの種類を試したり、考え直したりしてみると良いでしょう。
☆響きの質
演奏者は、キャパ5人くらいのレッスン室ではなく、50人、500人の会場にどんな音を響かせたいのかを理解しておく必要があります。そのために、ただ音が大きい小さいだけではなく、響きの質を聴くことが大切です。 ピアニシモ、ピアノでも客席の一番後ろまで美しく響いているか、フォルテ、フォルティッシモはかたまらず、的確な音質が出せているか、音量以外の部分で、どのように響いているのかを確認しましょう。
☆テンポ、フレーズ
フレーズの始まりと終わりを丁寧に聴けているか、音の粒、フレーズとフレーズの間をゆとりを持って聴けているかなど、よく響く会場では音と音が重なってしまうため、テンポ、フレーズ間の感じ方が的確かどうか判断すると良いでしょう。
☆全体の印象
演奏前にステージに出てきた瞬間から、演奏を終えて袖に姿が見えなくなるまでが演奏です。歩くテンポ、歩く姿勢、お辞儀の仕方、お辞儀の意味、演奏姿勢、演奏前の深呼吸など、ピアノの音が鳴っていない時の動きについても、広いステージで確認できると、本番でのゆとり、安心感につながると思います。
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