第3回 兄弟で練習時間を確保するには 角野美智子先生
私の教室にも、2人、3人兄弟の生徒さんが沢山通ってみえますが、皆さんそれぞれに「時間の確保の工夫」をされています。
兄弟で下校が早い方からピアノの練習時間を割り振るなどして、時間割のルールを決めてみてはいかがでしょうか?
例えば下校後6時間を3人で仲良く平等に割り振ると、最大で、ワンセット60分であれば2回、30分であれば4回、1人の練習時間が取れます。お風呂とご飯もローテーションすればフルにピアノを使えますし、空いている時間を勉強や読書、遊びに充てることが出来ます。
時間決めなどは、お母様がうまく誘導してあげつつ、兄弟同士で話し合ってルールを決めたり、時間交渉を試みてみたりする場面もあると、お子さんの練習に対する意欲や自主性が育つきっかけにもなりますね。
やらされている時間割ではなく、「本人主体の時間割」はやる気のモチベーションが変わってきます。
サイコロを振って練習の順番を決めたり、「〇〇を克服するための30分コース」のように、やるべき練習メニューカードを作ってくじ引きをしてみたり、、ゲーム感覚な遊びの要素を取り入れるのもオススメです。
このように時間を決めることは、一人一人が限られた時間を有効に使う意識も高まるので、ご家庭での時間の密度が高まっていき、練習の内容も充実していくのではないでしょうか?
「練習の量」ももちろん必要ですが、それを補う「練習の質」はもっと大切です。
いつでも好きな時に練習できると思うと、ついダラダラしてしまいがちになり、「時間の制約があるからこそ、集中して練習に取り組める」というメリットもあると思うのです。ただ漠然と指だけ長い時間動かす練習は、かえって悪い癖を覚えてしまうこともあり、大切なのは、しっかりと頭と耳を使って考えながら、「計画的な正しい練習をする」ということです。
いつも新鮮で楽しく練習する工夫を心がけ、またピアノを使えない時間があることで、イメージトレーニングや、曲の分析、練習の目的を常にはっきりとさせておくことができ、効果的な練習の成果につながることと思います。
コンペ本番に向けては、それぞれのラストスパートをかけやすくする為に、コンクール日程を兄弟でずらすのも一案です。優先的に思う存分練習出来たり、お母様もお一人ずつに集中して寄り添ってあげられるので、精神的な余裕を持って本番を迎える事が出来るのではないでしょうか?
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