第1回 コンペに入賞できないのでは、と不安 江崎光世先生
ピティナ・ピアノコンペティションは、42年前の創設当初から、創設者である福田靖子先生が、結果ではなく、その過程にこそ意味がある「学びのためのコンクール」と考えられていました。4期の課題曲を通して、ピアノ指導者は、セミナー等を活用しながら指導法を勉強し、生徒は、課題曲に深く向き合い、本番までに準備を重ねることで、集中力、探求力、計画力、様々な力を身に付けることができます。
私の生徒が、今年の冬に高校受験を迎えました。その生徒は、コンペに毎年参加し続けていましたが、入賞結果はそんなに高いものではありませんでした。今年の受験は、国立、県立、私立と、入試も長期間に渡るものでしたが、その間、体調も崩さず、しっかり入試本番に準備の照準をあわせ、全て合格が叶ったそうです。入試が終わった時に、お母様が「入試で結果が出せたのは、ピアノのおかげです。」と仰いました。毎年、コンペの参加を継続し、培った力は、入試の場面でしっかり活かされたようです。
今年は、コンペ要項の付録として「学習ノート」が誕生しました。コンペに参加するにあたって、どういう勉強をしてきたかという記録を残すことができます。これを毎年続けると、コンペに参加することで得られる成長を感じられるのではないでしょうか。
もし、コンペで入賞できなかったとしても、それまでのプロセスが消えることはありません。努力の過程は、成長の証です。結果への不安を超える成長の喜びを見つけられるのは、サポートされる保護者や指導者の役割とも言えると思います。ぜひ、コンペへの参加を継続することで、成長を見つめ、積み重ねていく機会となさってはいかがでしょうか。
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