ピティナ調査・研究

080.想ったことで音が変化することに気づいた人はやめられない!

100のレッスンポイント

300年前に生まれたピアノは、現代でも日進月歩、進化し続けています。思えば思っただけの音色が出せるのではないかと感じるほどです。

「思っただけの」と言いました。一方では「思わなければ」音色は増えないということです。

優しい音、嬉しい音、切ない音、悲しい音、愛らしい音、、、、思い付く形容詞だけ、音でそのまま表すことができるほど、ピアノは良くなっていると思います。
もちろんそこに技術は必要ですが、まずは「想い」がなければ、音は変わらないと思います。

そして、そこに気づいた人はやめられなくなります。
面白いです!

曲の中には数多くの音が登場します。オーバーに言うと、その一つ一つの音が変わることによって、すごい確率の違ったものが生まれるわけですね。簡単に言うと「2度と同じ演奏は生まれない。」

だからこそ。
音色が想いによって変わる。

この楽しさを知ると、音色の変わらない演奏に物足りなさを感じるようになります。

コンクールの講評で「音色に変化を」とよく目にします。それは高度なことではなく、ちょっとした感覚から解決できることのように思います。知れば楽しいことですし、ただ「音を出す」ことから「音を創る」事へと進化する事です。

それには、まずその曲のその部分をどう感じるか?答えはいくらでもあります。そして、次の部分の変化は...?

分かりやすい「明るい部分と暗い部分の弾き違い」から始める。あるいは「元気な小さい子が楽しく走っている感じと、それを優しく見守るお母さんの感じ」といった具体的なイメージをもち、思ったとおりの変化があるか?

優しく柔らかいイメージを持つと体が反応し、自然に柔らかなタッチになるものですが、簡単にはできなくても、憧れの気持ちがあれば、必ず思い通りの音が出せるようになると思います。
その追求を始めると、面白くて時間がたつのを忘れます。

そして、大切に考えて扱った部分は、他の人にもその想いが伝わると思います。

きっとピアノの進歩のお陰で、誰もが素敵な音を出し、音色も多彩に変化させることができるのでしょう。

それは高度なことではなく、ちょっとした感覚とセンスと経験によって可能です。しかも気づくとやめられなくなる素敵なことです!

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