ピティナ調査・研究

079.数多くの作品に出会おう!

100のレッスンポイント

ピアノで色々な曲が弾けるようになる事は、とても楽しいことです。

自分のレベルに合った曲でないとなかなか弾けるようになりませんから、少し難しい曲はすぐ嫌になったり、初めから取り組もうとは考えなかったりしませんか?

もちろん、今すぐに弾けない曲もあると思います。リサイタルや先輩が弾いた曲にあこがれて「あの曲が弾けるまで続ける!」という目標を持つこともすばらしいと思います。

でも、ちょっとステキな曲を「弾いてみる」という事も是非トライしてみると良いです。

そして、自分が弾けそうな曲をたくさん弾いてみるのが一番現実的かもしれませんね。

それにはコンクール課題曲のような「学年にあった曲」はとても手っ取り早く、勉強にもなると思います。

ピティナのコンペでは、課題曲選定委員の先生方がとても研究・議論し、4つの時代から、時間をかけて選んでいます。かなり信頼が置けます。

ただ、なかなか時間がなくて、自分の選曲した曲以外は、弾いていないという人が多いと思います。曲を選ぶためにCDも制作されていて、参考に出来ます。

本人や親が「あの曲すてきだった!」と曲にあこがれて、選曲することも多いです。以前は、出る級の曲を全部弾いて決めなさい!」ということにしていましたが、今年それをしてきたのは、2、3人でした。他の人は「これが良いと思います!」と、さっさと自分で決めた人が多いです。少し残念です。

ぜひ楽譜と照らし合わせ、弾きながら選曲することから、コンペは始まっている気がします。そうすると、他の曲(選曲しなかった曲)のことも知ることができ、どう弾くのかにより興味がわくと思います。 

残念ですが、せめてコンペの会場で他の人の演奏を真剣に聴き、「弾かなかった曲で、印象に残ったものを弾いてみる。」という事はして欲しいです。

他にも、色々な曲に出会えるチャンスは、演奏会やCD、テレビ(BSの番組などで多いですね)など、色々とあると思います。

小さい年齢の方は、やはり、大人の演奏は身近なものとは感じられないかもしれません。身近なお友達の演奏や先生の弾かれるいろいろな曲を聴いて、自分もその曲を弾いて見ると良いと思います。

前にもご紹介しましたが、私の教室では、弾いた曲を全部カウントしています。簡単ですぐ弾ける曲でもよいし、コンクールなどで聴いた曲でもよいし、コンクールのために購入した本の「他の曲」でもよいです。

曲にはそれぞれ、雰囲気、音楽性、音色、テクニック上の違いがあり、1曲出会うごとに、勉強になるわけです。

このカウントを始めて約3年間で1500曲にも達する人がいます。

やはりそんな子は、感性も技術もステキに育ってくれています。

字が読めるようになったら本を読むようになりますよね。新しい本を読むたびに出会いがあり、感動があるのと同じです。様々なジャンルのいろいろな曲に出会って欲しいです。

その中に「生涯弾き続ける曲」、「音が変わるきっかけになった曲」、「心を救ってくれる曲」、など、ステキな出会いが必ずあります。

そして、ピアノが弾けて幸せだなあと思ってくれるとよいですね。

コンクールで一日色々なレベルの曲を聴いていると、そのようなステキな曲や目標にしたい演奏に出会えます。これが最も価値のある副産物です。

是非、受験した人は他の人の演奏を聴き、受験しなかった人や先生方も、是非聴きにいきましょう。思わぬ収穫が得られるはずです。

私自身も生涯に何曲のステキな曲に出会えるか「カウントしようかな?」と思っています。