ピティナ調査・研究

074.難しいところを上手くなろう!

100のレッスンポイント

曲には難しいところが必ずあります。
「自分が難しいと思うところ」と「誰にとっても難しいところ」があります。

自分が弾いてなぜか「弾きにくい」「ミスしてしまう」というところを克服しておかないと、結局、美しく仕上がりません。

しかし、そんな事は百も承知なのに、面倒くさい部分練習をしない人は多いものです。そして、結局いつまでたっても自分の中で「グレー」のまま。
レッスンや人前だとなおさら弾けないのです。

練習で、ある16分音符1拍分が弾けないだけなのに、ミスをした際「もう一度」と最初から弾き直してしまう人も多いです。

全体が64小節ある曲でも、その1拍を含む1小節だけを練習すれば良いので、最初から「1回」通して弾く時間で、「64回」弾けるはずです。そして64回弾くほうがその部分は上手になるはずです。

曲を仕上げる時、弾けないところを克服するために、「何故弾けないのか」「テクニック的に弾けない要素があるのか?」などと考え、指導を受け、練習する。この積み重ねで確実に色々な事が身に付き、他の曲でも生かせるようになります。
徹底して、弾けるための努力を心がけましょう。
でも、そんなに大変ではないと思います。
短く繰り返せばよいのですから。
「テクニック」の項目でも述べたように、難しいものは簡単な形にして取り組めば、必ず克服できると思います。
そして、難しい場所というのは、作曲者が盛り上げようと工夫しているところである事が多いです。そこが上手く弾けることによって、曲の全体ぐっとレベルアップする時が多いのです。

コンクールなどの場合、ほとんどの人がだいたい同じところで「ここで決める!」「ここを伝えたい!」と思います。ところが、そこを「感動」のレベルに導ける人はそう多くありません。

たいてい、それは難しい部分なので、そこを克服し、さらには、「聴かせどころ」になるまでもっていければ良いですね!
結論!「難しいところを得意になろう!」
得意になった時、そこは、人を感動させられる部分になっているし、そのために努力したことで、レベルアップしていて、達成感もあり、言う事なし!です。

エピソード

何年か前の夏、ある生徒がお母様と一緒にその曲の注意すべき点や上手くなって欲しいところを箇条書きにし、それが出来たかどうか毎日チェックするシートを作りました。自分で、そこに気をつけるよう注意して弾くことになり、チェックが埋まっていく楽しみもあって、着実に弾けるようになりました。
結果、ピティナのコンペティションA1級で決勝進出しました。

まだ小さい頃の曲ですから、注意するポイントも全部書ける範囲でした。
どの級にも通用する方法とは限りませんが、何が出来てなくて、どういう練習をしたら良いかをはっきり意識して取り組み、具体的に自分の目標を持てたことで、結果がでました。

その後私も、仕上げ時期にチェックシートを取り入れて見ました。
弾けない部分だけではなく「ここぞ!」と思うところをピックアップして、それを毎日意識する事は、仕上げへの近道となります。