ピティナ調査・研究

065.自分の中に先生を!

100のレッスンポイント

ステキなピアノを弾くために練習は欠かせません。
レッスンで先生から教えていただけるのは、せいぜい1週間に一度。
あとは家で毎日、練習しているわけです。
多くの時間を占める練習が良いと、ピアノは上手になります。

では「良い練習」をするには?

今、弾いているのは、正しく弾けているか?
どこが、上手くいっていないのか?
美しい音が出ているか?歌えているか?

それらの事を、自分が弾いた瞬間から考えなくてはいけません。
そして問題点をどう解決しますか?
弾けていないところは、どんな練習をすべきでしょうか。

弾けない部分が上手くなるための工夫をしたり、歌えていないところや表情の薄いところをよりステキにするための方法を、見つけなければなりません。
色々な音を出してみたり、(たいていの場合は、歌えていないと気づいただけで多くの場合解決するとも思われますが)注意深く聴き取り、考え、指示する。そんな先生が毎日いると良いですよね。

実は、それは自分です。

いつもレッスンで指摘される事を、毎日の練習の中で自ら気づき、解決していく事が出来たら、どんなに上達するでしょうか?
それができれば先生の言われている事もすぐにわかるようになり、スムーズなレッスンになって、さらに高度な事を教えてもらえることになると思います。

小さい頃は、その役目がお母さんだったりします。熱心なお母さん先生がいると確かに伸びます。でも経験上、親子はなかなか上手くいかなくなることが多いようです。成長と共に、子供には必ず自我が目覚め、反発が始まります。自立するためにも、自分の中に先生がいるようになって欲しいと思います。

子供たちと「聴き合い」をするとき、他人の演奏の感想を書かせる事があります。ピティナの先生方の講評と比べてもびっくりするほど、良く聴いて書けています。充分、先生合格です。

ただ自分の演奏には甘く、「弾ければよし!」という感じで、よくわからない所もそのままにしてしまいます。良い先生なら、それも聴き逃さないはずです。

演奏を良くしたいと自ら思い、自分の中に先生を置いて、できればより厳しく、自分に対して指摘・指示しながら練習することが、最善の伸びるコツだと思います。

エピソード

エピソード
レッスンで指摘すると、
「僕もそう思ってるんです!」「でも、できない」
「やはり、そうですよね?」「さらに、ですよね?」
こういう会話が出来るというのは、明らかに自分の中に先生がいるということでしょう。
弾いている曲に対して試行錯誤することが、家の練習でも楽しい状態です。
レッスンでは先生とともに、良くなるための議論が出来るくらいになると、先生のほうもその時間はとても楽しいものです。