ピティナ調査・研究

012.どんなに難しくても「2音」にすれば弾ける!

100のレッスンポイント

「どこが」弾きにくいのでしょう?「なぜ」弾きにくいのでしょうか?

指が弱くて動いていなかったり、音が飛んで外れたり、不安で力んでしまったり。

いろいろな理由が考えられますが、それをはっきりと認識することが大切です。小さい人は、自分ではなかなかわかりません(大きくなっても同じかも?)。弾けない原因を見つけて指摘し、何を練習すべきかを伝える事は、指導者にとって重要な役目だと思います。

実際の指導ではケースバイケースで、いろいろな原因と処方箋が考えられ、それらを全てを書き出すわけにはいきません。しかし「もしかしたらどんな場合でも有効かも」と思っている方法があります。それは「2音にする」というものです。

まず「どこが」弾きにくいのかを探していきます。どんなに音が多くても、早いパッセージでも、重音でも、和音でも、ポリフォニーでも、、、最も弾きにくいところを考えます。

どこが弾きにくいのか?動きにくく、転びそうなところがあるときは、その2音を10秒間続けて弾いてみましょう。(「試してみよう」の動画もご参照ください)

10秒だけでも、とてもたくさん練習した気になるほど、指を動かすことになります。これだけで、驚くほど弾きやすくなります。(弱い、3,4の指などぜひお試しください)。そして、その2音が弾きやすくなったら、その前後の音、その拍の音、そして1小節全部と、だんだん音を増やしていきましょう。そうしていくうちに弾きにくさが解決します。

音が離れていてミスタッチをしてしまう場合も、まず飛んでいる2音から始めましょう。この場合は、回数を決めて10回、目を閉じて当たるまで行うという方法などが効果的です。やはり最も難しい2音から。でも、「2音」が確実になれば、必ず弾けるようになります。

弾きにくいところ、弾けていないところを、避けて通らず、まずその部分を知りましょう。そして、「2音から」とか「10秒だけ」といったほんの少しの努力が、完成への大切な一歩です。

試してみよう

2つの音だけを10秒間弾いてみます。どんなに難しいパッセージでも、たった二つの音までに分解することはできます。動画では3と4の指で弾いています。このような弾きにくい指使いが含まれていることで、あるパッセージが弾きにくくなったりします。