004.鍵盤の構造を考えた弾き方
ピアノの鍵盤を見てください。
黒鍵と白鍵。高さと位置が違います。
黒鍵は、8ミリほど高く、奥まった場所にあります。
黒鍵と白鍵を同じタッチや重さで弾くには、この「高さと位置の違い」を頭に入れておく必要があります。
ここで、お風呂場の椅子に足をのせるという場面をイメージしてみてください。椅子が少し離れた場所(4、50センチ前方)においてあるとすると、足を伸ばしてのせることはできますが、それだけでは、重さは移動していません。地面についた方の足に体重のほとんどが残っています。重さを移動するには、椅子の真上に立つことになります。黒い鍵盤にきちんと指の重みが移動する、という感じは、指を足でたとえると、「椅子の真上に立った」状態ではないでしょうか。
鍵盤上でも、きちんと指が黒鍵の真上で弾くつもりで弾きましょう。黒鍵と白鍵の違いはあっても、ピアノの中(弦やハンマー)はなんら変わりません。同じ状態でタッチしてあげないと同じ音質にはならないでしょう。
気をつけたいポイントは、やはり、、、「つめ」が見えないこと(連載の「002」ご参照)でしょう!
黒鍵と黒鍵にはさまれた白鍵を弾くとき、指が浮いてしまうことがあります。黒鍵から移るときには、穴の中に沈むくらい!と言うとやっと音がそろうことがあります。
また、たとえば、ミレ#ミと弾くとき#の音が残ってにごった響きになることがあります。指を上げたつもりでも、黒鍵はもともと位置が高いので、次の低い白鍵に移った後でも、まだ位置が戻っていないことがあります。これも黒鍵と白鍵の高さの違いを意識できるようになると、音が濁らなくなります。このような「刺繍音」はきれいに弾くと、おしゃれに響きますよね!
003の「試してみよう」と似ていますが、今度はミファ#ソ#ラシの場所で同じことをしてみましょう。1と2、3と4の指の間を移動するときが、白鍵から黒鍵への移動です。鍵盤の他の位置でも、同じことをしてみると良いでしょう。早くから、いろいろな音階や調性を体験して、黒鍵をこわがらず、美しく弾くことに慣れて欲しいですね。