ピティナ調査・研究

カミーユ・サン=サーンス Camille Saint-Saëns

甦る系譜
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Camille Saint-Saëns (1835-1921)
カミーユ・サン=サーンス

フランスの作曲家。オルガニスト、ピアニストとしても非凡な腕を持ち、音楽史上屈指の神童として、長じては比類なき博物的な教養を身につけた音楽家となった。ロマン派全盛の時代にあって、サン=サーンスは古典的様式と明るく簡素な表現を尊び、人間の感情的吐露を退けた態度が、深みに乏しい音楽として受けとめられてしまっているのは遺憾である。その音楽の純粋性・完成度・健全性といった観点から、今後多くの価値を再考されるべきであろう。

SIX BAGATELLE Op. 3 6つのバガテル

(録音日:2006年7月5日)

  • Poco sostenuto 試聴する(Youtubeへ)
  • Allegro animato quasi presto 試聴する(Youtubeへ)
  • Poco adagîo 試聴する(Youtubeへ)
  • Moderato assai 試聴する(Youtubeへ)
  • Allegro molto 試聴する(Youtubeへ)
  • Poco sostenuto - Adagîo 試聴する(Youtubeへ)

出版された最初のピアノ曲。1855年作。調性感覚を惑わすような神秘的な冒頭は終曲にも再現し、作品に統一性を持たせている。シューマンの影響が見られるが、19歳の時点でサン=サーンスの表現力は既に完成の域に達している。

出版は1856年、S. Richault社から2分冊で。後に一括してIsidor Philippの校訂で、Durand社から再版(1885年)。

GAVOTTE en ut mineur Op.23 ガヴォット ハ短調
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(録音日:2006年7月5日)

1871年、音楽劇「銀の音色」(1887年初演)のために構想された音楽をピアノ曲として独立させた小品。厚い和声を伴う端正な古典舞曲の様式は、この作品を献呈したE.シラス(1827~1909)の流儀に因んでいる。シラスはパリ音楽院におけるサン=サーンスの先輩で優れたオルガニスト、作曲者として19世紀後半のロンドンで活躍した。デュラン社刊。

ALBUM Op.72 アルバム
  • 前奏曲 PRÉLUDE Poco allegro tempo rubato 試聴する(Youtubeへ)
  • 鐘 CARILLON Moderato tranqillo 試聴する(Youtubeへ)
  • トッカータ TOCCATA Allegretto 試聴する(Youtubeへ)
  • ワルツ VALSE Allegrazîoso e con moto 試聴する(Youtubeへ)
  • ナポリの歌 CHANSON NAPOLITAINE Andantino 試聴する(Youtubeへ)
  • フィナーレ FINAL Allegro quasi minutto 試聴する(Youtubeへ)

空間的な高さ、広がりを感じさせる素描的な曲集。七拍子で書かれている「鐘」、変幻自在な転調をみせる「ワルツ」+「フィナーレ」が知的なアイロニーを印象づける。
デュラン社刊。合本と分冊がある。

J.S.BACH/TRANSCRIPTIONS pour PIANO par C. SAINT-SAENS 2e Recue
J.S.バッハ - サン=サーンス 編曲集第2集

(録音日:2006年7月5日)

  • Introduction et air de la 15e Cantate 序奏とエア 試聴する(Youtubeへ)
  • Fugue de la 5e Sonate de violon フーガ 試聴する(Youtubeへ)
  • a Largo de la 5e Sonate de violon ラルゴ/No.9b Recitatif et air de la 30e Cantate レシタティーフとエア 試聴する(Youtubeへ)
  • Gavotte de la 6e Sonata de violon ガヴォット 試聴する(Youtubeへ)
  • Air de la 36e Cantate エア 試聴する(Youtubeへ)
  • Choeur de la 30e Cantate 合唱 試聴する(Youtubeへ)

J.S.バッハ作品によるサン=サーンスのピアノのための編曲集は第1集が1862年、第2集が1873年に、それぞれデュラン社から出版されている。全12曲はいずれもカンタータと無伴奏ヴァイオリン・ソナタから取られており、ドイツの作曲家たちとは明らかに異なる、フランス人の視点によるバッハが窺える。それは厳格さ、敬虔さの代わりに伸びやかな叙情性と機能的なピアニズムを特色とする。
第2集はクララ・シューマン門下の逸材、ヴィルヘルミーネ・サルヴァディ(クラウス)夫人(1834~1909)に捧げられた。

CAPRICE Sur les airs de ballet d'ALCESTE Gluck -- Saint-Saens
グルックの《アルチェステ》のエール・ド・バレエによるカプリス(1867)
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(録音日:2006年4月24日)

グルックのオペラ《アルチェステ》が書かれた丁度百年後に、若きサン=サーンスはこの作品のバレエ音楽から主題を選び、変奏曲とフーガの形式によるピアノ音楽とした。オリジナルとトランスクリプションの中間に位置する作品といえよう。演奏困難なフーガの部分は省略してもよいことになっている。デュラン社刊。ドビュッシーによる四手版もある。

PARAPHRASE sur MANDOLINATA de E. Paladilhe パラディールの《マンドリナータ》によるパラフレーズ(1869)
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(録音日:2006年4月24日)

エミール・パラディール(1844~1926)は、パリ音楽院でアレヴィに作曲を、マルモンテルにピアノを学び、1857年にピアノのプルミエ・プリ、1860年にはローマ大賞を獲たフランスの作曲家。「ローマの想い出」という副題を持つ歌曲《マンドリナータ》(1869)は、当時爆発的なヒット作となり、さまざまな作曲家の手による30種類を越えるアレンジが存在した。サン=サーンスも、原曲のトランスクリプションと、このパラフレーズの2種類を残している。

PARAPHRASE sur GALLIA, cantate de CH. GOUNOD
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(録音日:2006年7月5日)

1871年のロンドン国際博覧会の開会式で初演されたグノーの「ガリア」はソプラノ独唱、混声合唱とオルガン付きオーケストラのための作品である。サン=サーンスがその演奏を聴き、モティーフを自在に用いてピアノのためのパラフレーズとした。名手、E.M.ドラボルド(1839~1913)に献呈。出版は原曲と同じロンドンのノヴェッロ社から同年に出版。

アルフォンス・デュヴェルノワのオペラ「エレ」のモティーフによるノクターン
NOKTURNE Sur les motifs d'HELLE' Opéra d'Alphonse DUVERNOY(1897)
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(録音日:2006年7月5日)

アルフォンス・デュヴェルノワ(1842~1907)はマルモンテル門下のピアニスト、作曲家で「エレ」は1896年、オペラ座で初演された4幕のオペラ。その複数のモティーフを自在につなぎ、一曲にまとめたもの。ヴァイオリンとピアノ編も書いている。(出版/ENOCH Paris)

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