ピティナ調査・研究

第12回 アダージョ Hob.XVII/9 ヘ長調

ハイドンの世界

楽譜にすると、1ページしかない、小さなロンド形式の作品です。この曲は1786年にクラヴィーア用の編曲を集めた曲集に収められていましたが、何の編曲なのか、原曲が分かっていません。派手さはありませんが、まるで自分自身に語りかけているような優しい雰囲気に包まれた曲です。

ハイドンひとことメモ
「第12回 ハイドンの性格 その1」

ハイドンの音楽を聴けば、それだけでハイドンがどのような人であったか大よそ想像がつきますが、ここでは伝記によって伝えられているハイドンの性格を書いてみたいと思います。

─ 几帳面で、きれい好き
努力してそうなったのではなく、おそらく生まれつきのものであったようで、彼の召使いたちにも家事全般についてもそうであったようです。また、几帳面なことの好きであったハイドンは、自分の勉強の時間と仕事の時間をきちんと決めていて、必要上どうしてもそれを変えられると、不快に思ったそうです。

─ 陽気で冗談が好きで、庶民的、そして洗練されたものもあった
最高度に発揮されたものは独創的な音楽での機知であり、ハイドンの音楽の中にある、冗談めいたような、また何かをからかっているような愛着のわくようなフレーズは、まさにハイドンの性格そのものと言って良いようです。

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