ZADAN:第08回 ピース作品のご使用法 ~全音ピアノピースってすごいよね!!~
こんにちは。今回は連載第7回「ピース邦楽曲を聴く」で見事な演奏をご提供下さいました須藤英子氏をお招きしております。どうぞよろしくお願いします。
よろしくどうぞ。
いやぁ、なかなかあのように並べて聴く機会はありませんので、これはもう面白かったです。須藤さん、ありがとう。
こちらこそ。初の試みでしたが、楽しかったです。会長から録音前に長唄「越後獅子」や筝曲「六段」の原曲MDを送ってもらいましたので、イメージもしやすかったです。
録音には我々も立ち合わせてもらいましたが、あれこれ意見を出し合い、結局「六段」は2ヴァージョン撮りになりましたね!
実は今日、おみやげがありまして。その後「越後獅子」も三味線的クールバージョンを収録してみました。
おお!!
「越後獅子」♪ 三味線的クールバージョン 演奏:須藤英子
いいですねぇ!!ノリノリです。
この何ともいえない間合い。須藤さん、すっかりピース邦楽弾きですよ。
原曲の箏や長唄の音作りを再現しようとすべきなのか、逆にピアノらしく原曲を弾くことに意味があるのか・・・迷った挙句、2ヴァージョン作ったんですよね。
原曲との激しいせめぎ合いの中、これが発見でした。筝曲では「押手」(柱のやや左を押して音高を上げる奏法)とかありますから、ピアノでは鍵盤上で工夫してもらいました。
ピアノの内部奏法の指定はありませんしね。
はい。ピースの譜面では付点のリズムでも複付点にして原曲のような鋭さを出したり、スラーの捕らえ方も横のつながりを意識しすぎないで、縦に刻む感じを出してみたり。
シンプルで潔い雰囲気。これでなんとも原曲の面影出ましたね。
楽譜と向き合っているだけだと「ホンモノの越後獅子」からどんどん遠ざかってしまう気がするんです。でもお二人とコラボして大胆に行けました。「あーこんなに三味線っぽくやっていいんだ!」みたいな。
会長、かなり注文、飛ばしまくってましたよ。
ほんっとすいません。でもやってみると結構投げかけてくるでしょ、楽譜の方からも。「六段」なんかは難易度Cのわりに大曲の響きがしましたよ。
そうですね。決して弾き易くはないです。私はふだん現代曲を弾くことが多くて曲を分析する癖があるんですけど、ピース邦楽曲は、変奏曲でも細かい変奏具合だったりするんで、なかなかに暗譜は難しいですね。
では発表会とかで暗譜で弾いたりするのは酷ですね。
それじゃあ、ホームパーティーなどで。
ホームパーティー・・・
外国人宅、または外国人をお招きしてのパーティー。ウケそうです。
急に国際的ですね。しかしチャンスはそんなになさそうな・・・
須藤さん、今度ニューヨークへお越しの際にぜひ、これら邦楽ピースをスーツケースに忍ばせてお出かけ下さい。
あ、はい。
ムリしてない?
ほんっとすいません。でもよろしくお願いします。
大丈夫です(笑)。
ピースでは他にもNo.316の小山清茂「かごめ変奏曲」とかも気になるところです。
小山さんといえば、中学校で「管弦楽のための木挽き歌」とか鑑賞教材でしたね。その「かごめ変奏曲」も外国人ホームパーティー行きですかね。
いや、これはぜひ園児に踊らせましょう。
あ、幼稚園ですか。今どきも園児たち、「かごめかごめ」やるんですかね。
ピースのNo.297「幻想曲さくらさくら」も「かごめ変奏曲」もオリジナルは我々にとって馴染み深い曲。ピースを通じて世代間コミュニケーションも取っていただきたい。
あーなるほど。いいですねぇ。
実は明治期から日本では、日本人に馴染み深い邦楽曲をピアノ曲に仕立てたケースがみられるようですよ。
これはぜひ調査を進めたいところですね。
楽譜発掘したら、ぜひ音にしてください、須藤さん!ほんっとすいません!
あっはい、ぜひ。優先順位けっこう高いです。
さすが「ピアノ曲 MADE IN JAPAN」!今回はどうもありがとうございました。