ZADAN:第00回 序にかえて~全音ピアノピースってすごいよね!!~
ようこそ、ZADAN「全音ピアノピースってすごいよね!!」へお越し下さいました。ここは「みんなのブルグミュラー」片隅裏サイトでございます。
何をするのかというと、「ぶるぐ協会」会長前島と広報飯田が、全音ピアノピースについて密やかに熱意をもって語るという、そういった企画でございます。
手元には我々の全音ピースコレクション、および音楽辞典が用意してあります。音楽辞典と申しましても大げさなものではございません。ご家庭で使えるハンディなあの一冊、音楽之友社の「新音楽辞典(人名)」です。青色の箱に入った、小さめの辞書であります。
現在、日本語で読める音楽事典には大層立派なものが多々ありますが、この「音友人名」はコンパクトにしてあなどれない良書でございます。「楽語」編(こちらは赤い箱)と分けられているだけに、意外な人物を拾い上げていたりしますので、今回のわれわれの企画には手放せない一冊として活躍してもらうことにいたしましょう。
さて、「全音ピアノピース」といいますと、ある一定層の方々、つまりわたくしどもぶるぐ協会が「昭和ピアノ少年少女」と呼ぶ緩やかな一定枠内の方々が、ちょっとした反応を示す代物であると感じます。いまこのサイトに辿り着き、「ピース!持ってた!」と小さく叫び、あの独特の表紙の映像を記憶の淵からすくい上げ、若干目頭が熱くなるのを覚えつつ、小遣いから数百円をひねり出して買った「エリーゼのために」や「人形の夢と目覚め」「トルコ行進曲」などの幾曲かが遠い耳鳴りのように響いたあなた。あなたこそは「昭和ピアノ少年少女」であり、そしてこの「全音ピアノピース」という、少なからず、いや、恐ろしい席巻力を持って日本のピアノ文化を構築することに貢献した立役者に、加勢した一人なのであります。
わたくしどもは、この「全音ピアノピース」といういわば一つの現象を今一度捉えてみようとするだけでなく、難易度A、Bといった楽曲たちに熱い注目をそそぎ、勝手を承知で慈しみ、切り込んで参りたいと思います。嗚呼、アルプス好きのオースティン、あなたは一体誰なのか。
ご一緒に楽しんでいただければ幸いに存じます。
2008年4月 ぶるぐ協会広報 飯田有抄