ピティナ調査・研究

会員情報交換会:これからの発表会を考える

新しい生活様式・新しいレッスンスタイル
「新しい生活様式」のレッスンが求められる中、感染予防対策を実施しつつ、対面とオンラインの特性を生かしたレッスン・指導・アドバイスを工夫している先生方がたくさんいらっしゃいます。「Stay at Home, Keep on Music」では、少しずつでも、各地の先生方の体験・情報・ノウハウをできる限り多く集め、この状況のなかでできることを応援してまいります。
開催レポート:これからの発表会を考える(オンライン・動画共有型)

2021年1月8日(金)、会員向け情報交換会「これからの発表会を考える」を開催し、14名の指導者にご参加いただきました。コロナ禍で増えているオンラインや動画共有型の発表会をテーマに、今の日本の状況下に合わせた開催方法について情報交換を行いました。全国各地からお集まりいただいた先生方それぞれのアイデアを共有していただき、お悩みや疑問を先生から先生へとアドバイスし合う、とても有意義な時間となりました。

コロナ禍での発表会、通常とは違った形での開催をされましたか?
  • .仕上がった曲を各家庭で収録してもらって一覧にし、聴きたい人にリクエストを出してLINEで動画を交換するという企画をやってみました。鬼滅の刃の曲なども人気でリクエストが殺到したりと好評だったので、第2回も実施しました。(成田 貴久子先生/愛知)
  • 私は生徒さんの演奏を個別に教室で収録し、編集してYouTubeに限定公開しました。生徒さんたちには「コロナ禍でもイベントに参加できてよかった!」と喜んでもらえました。(松本 絵理子先生/東京)
  • 夏とクリスマスに動画での発表会を開催しました。それぞれの演奏を収録し、編集して1本の動画を作成。その後YouTubeに限定公開でアップして共有しました。全員分聴いた人にはプレゼントをあげますと周知していたのもあり、ホールでの開催時よりも人の演奏をしっかりと聴いてくれたという印象です。(久保 京子先生/東京)
  • 6月にホールで発表会を開催しましたが、生徒さんやご家族の感染リスクをできる限り減らすために、1組ずつの完全入れ替え制、客席にはご家族のみという制限付きで開催しました。お友達の演奏も後から聴けるよう、収録とDVD作成も行いました。(S.S.先生/栃木)
普段と違う形での発表会、どのように参加費を設定するか悩んでいます。
  • 通常の発表会の4割ほどいただきました。この後DVDに焼いてお渡しする予定なので、経費や手間を考慮すると決して高い金額ではないかなと思います。(松本 絵理子先生/東京)
  • 夏の発表会では多少の経費はかかったものの、教室での収録だったため参加費はいただきませんでした。クリスマス会はスタジオを借りて開催し、会場費などがかかっていることを保護者にもお伝えした上で3500円程度の会費をいただきました。(久保 京子先生/東京)
  • 会場での実施でしたが、写真やお花などの華やかなことをしなかったため、参加費は半額以下に設定しました。(S.S.先生/栃木)
機材などはどのようなものをお使いになりましたか? 
  • スマホで収録し、PCで編集をしました。YouTubeにアップしたところ、少し画質がザラザラしてしまったのが気になったため、今後のために新しいビデオカメラを購入しました。(松本 絵理子先生/東京)
  • 外付けマイクのみ購入しました。スマホに取り付けるだけなので、とても簡単で使いやすいです。(久保 京子先生/東京)
収録後の編集が大変そうに感じましたが、どのように作業をしていますか?もともとPC作業はお得意でしたか?
  • PCには疎かったため、今回はInShotというスマートフォンのアプリで作業しました。映像の余分な部分をカットし、名前やタイトルを入れる程度なら1人分を5分位で作業できます。わからないことがあっても、アプリ名で検索すれば丁寧に解説しているサイトやYouTubeが出てくるので解決します。(久保 京子先生/東京)
  • 私も去年の夏まで未経験でしたが、ピアノ指導者向けの動画編集講座に参加してみました。今回の編集には Final Cut Proというソフトを使い、2週間ほどかけて作業をしました。構造が決まればあとの作業はあまり難しくはなかったです。(松本 絵理子先生/東京)
  • 私は音と映像は別に撮り、後から合成する作業をしました。画質や音質にこだわる場合、編集作業だけ得意な方にお願いする場合もあるそうです。(安音 めぐみ先生/東京)
オンライン発表会について、保護者の方にどのように説明をしたらいいのか悩んでいます。
  • イベントの名前を「動画配信」や「クリスマス音楽会」とすることで、「オンライン」という言葉になじみのない方にも伝わりやすいように工夫しました。(山本 ゆり先生/神奈川)
  • 発表会開催の5か月ほど前にはオンライン発表会への切り替えを決めていました。どのような企画なのかを早めに保護者の方に説明をしていたので、皆さん快く受け入れてくださいました。(松本 絵理子先生/東京)
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