ピティナ調査・研究

会員情報交換会:未就学児の子育てと教室運営の両立を考える Vol.2

新しい生活様式・新しいレッスンスタイル
「新しい生活様式」のレッスンが求められる中、感染予防対策を実施しつつ、対面とオンラインの特性を生かしたレッスン・指導・アドバイスを工夫している先生方がたくさんいらっしゃいます。「Stay at Home, Keep on Music」では、少しずつでも、各地の先生方の体験・情報・ノウハウをできる限り多く集め、この状況のなかでできることを応援してまいります。
開催レポート:未就学児の子育てと教室運営の両立を考える Vol.2

2020年12月8日、会員向け情報交換会「未就学児の子育てと教室運営の両立を考える」の第2回を実施し、14名の若手指導者にご参加いただきました。12月初旬に開催された第1回では即日満席となり、ご好評にお応えしての追加開催となりました。今回のゲストスピーカは、2歳になるお子さんを育てながら指導者、ステーション代表としてもご活躍中の宮田朝葵先生。子どもとの過ごし方や、限られた時間の中での教室運営、スキルアップの工夫などをお話しいただきました。情報交換の時間には、それぞれの先生方が子育てと指導を両立するために実践しているアイデアを共有し、これから結婚や出産を考える先生にとっても大きな学びの機会となりました。

出産前後のレッスンについて
出産前後にどれくらいの期間お休みを取りましたか?
  • 妊娠3か月のときに切迫流産を経験し、絶対安静と言われてしまったので、代行の先生に頼みつつ、自分の体調と相談しながらレッスンを継続しました。出産後、自宅教室は1か月、音楽教室は3か月ほどお休みを取りました。(江川 綾先生/東京)
  • 私も妊娠中に切迫流産で入院を経験し、寝たきりで出産を迎えることになってしまったため、当時の生徒さんには状況を説明してレッスンを断念しました。生徒さんには教室紹介を使って別のお教室に移っていただきました。(諸橋 良江先生/岡山)
  • 勤めている音楽教室は3か月間お休みを取りました。オーナー先生には安定期に入ってから相談し、代行の先生への依頼や時間割の調整などを行いました。生徒さんには産休に入る3か月前にお伝えしましたが、幸い体調も安定していたので、ギリギリまでレッスンを続けることができました。(宮田 朝葵先生/ゲスト)
  • 出産後、勤めていた教室は3か月ほどお休みしましたが、実家で開講していた教室は2~3週間で復帰しました。(上野 莉緒先生/大阪)
レッスン中の子どもの預け先に悩んでいます。産後仕事に復帰された方、どのようにされていますか?
  • 一時預かりを利用しました。時にはお迎えを生徒さんのお母様にお願いし、私の仕事が終わってから生徒さん宅にピックアップしに行くこともありました。(宮田 朝葵先生/ゲスト)
  • 第1子を出産したときは、夫の実家や母を頼っていました。第2子が生まれた今はファミリーサポートにお願いしているのですが、生後3か月からしか利用できなかったので、それまでは母を頼ったり、おんぶしながらレッスンするなど、ギリギリの状態でレッスンを回していました。(上野 莉緒先生/大阪)
  • 千葉の実家で開講していたため、出産後は土日にレッスンをまとめ、金曜日の夕方から子どもと一緒に車で3時間かけて帰省していました。(細渕 由佳先生/東京)
  • 小学生1人と未就学児2人の3人の子どもがいます。全員保育園を利用しましたが、第3子のときには東京に引っ越しをたため、待機児童も多く、ベビーシッター、一時預かり、ファミリーサポートなどあらゆる方法を試しました。(M.A.先生/東京)
レッスンの組み方について
子どもの習い事と仕事が同じ時間帯なのですが、送迎や付き添いなどはどうされていますか?
  • 子どもの習い事がある日だけはレッスンを入れませんでした。最近は生徒も増えてきたため、習い事の前後1時間のみ空けてレッスンを組んでいますが、タイトなスケジュールのため、習い事の先生にも事情を説明し、こまめに連絡を取るようにしています。(船留 麻衣子先生/大阪)
子どもが急に病気になったときはどうしていますか?
  • お電話でキャンセルのご連絡を入れ、後日振替レッスンをしています。生徒の保護者も私と同じ母親なのでご理解いただいています。振替レッスンは休日などを使って対応しました。(江川 綾先生/東京)
  • 私も子どもの急病などでレッスンをお休みした場合、他の日に振替をしていますが、生徒さんの体調不良の場合も振替レッスンOKにしました。規約に追加し、事前に説明しておくことで信頼してもらえるようになりました。(安音 めぐみ先生/東京)
自分や家族の都合などもある中で、振替レッスンの日程調整は負担にならないでしょうか?
  • 自宅教室は月3回にし、必要があれば追加レッスンをする形にしました。予めお休みを作っておくことで、振替レッスンの日程調整の負担が軽くなりました。勤めている教室では年間回数が42回と決まっていますが、回数が足りない場合は年度末にご返金という形にしています。どちらにしろ、自分の負担にならない範囲でレッスンを組むのがいいと思います。(宮田 朝葵先生/ゲスト)
  • 私も月3回、年間回数36回と決めています。土曜日は幼稚園の行事が入ることも多いため、半年に1度補講日を設けています。(K.U.先生/東京)
  • 私も年間回数を36回に設定しました。子どもの急病などこちらの都合でお休みをする場合は振替、生徒さんのご都合での欠席の場合は年間2回まで振替可能としています。半期に1度振替日を設定して、ご都合があう方のみ来ていただくという形で運営しています。(小田 枝里子先生/大阪)
家庭と仕事の両立について
子どもとの時間も大事にしたいけれど、指導の勉強もして仕事も頑張りたい…と、仕事と子育てのバランスで悩んでいます。
  • 私は第1子の出産を機に音楽教室を退職し、4年ほど育児に専念しました。今年の6月に自宅での教室を開講し、少しずつ生徒が集まっているところです。今第2子を妊娠中なのですが、夫の協力を得つつ、今回は仕事をしながら子育てをしたいと思います。(K.U.先生/東京)
  • 自分自身の練習や勉強の時間、子どもの教育の時間も取りたいので、少し余裕を持ってレッスンを組んでいます。共働き家庭のお子さんや大人の方など、こちらが設定しているレッスン時間帯と生徒さんのご都合がマッチングしにくいのですが、子育ても大きな仕事だと考えているので、しばらくは限られた時間の中で教室を運営していきたいと思います。(小田 枝里子先生/大阪)
  • 私もレッスン開講日は週3日、時間は2~3時間程度と短くし、受け入れられる範囲でレッスンをしています。まだ下の子が小さいため夜遅くまではできませんが、今いる生徒さんを大事に育てようと思います。(大沼 亜希先生/宮城)
指導者同士のコミュニティ
第1子出産時は地元の楽器店に勤めていたため、指導者同士のつながりがあり、産休中に代行してくださる先生を見つけることができたのですが、新しい地で教室を開くにあたってどのように先生同士の繋がりを見つければ良いのか教えてください。
  • 独身の頃からバスティン研究会に所属していて、その繋がりが結婚や転居を経た今も続いています。レッスンの悩みを相談したり、出産や子育てについても教えてくれる先輩指導者もいるので、とても心強いです。(松谷 萌先生/東京)
  • 勉強会、研究会、ステーションなどに関わっていただくことで世代を超えて繋がることができます。ピティナのWebサイト上に地域ごとのステーション情報が掲載されているので、気になるステーションがあればお知らせください。代表の先生とお繋ぎします。(本部)
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「新しい生活様式」でのレッスンが試行錯誤でスタートしています。小さな気づき、失敗談、試行錯誤を含めた多くの情報・体験談をお寄せいただき、先生方お一人ごとのレッスンをカスタマイズするサポートができればと願っています。「生徒に寄り添って、今できる、私なりの指導」を皆様と一緒に模索していきます。注)各事例を「推奨」するものではありません。また、各記事はその時点の状況です。

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