ピティナ調査・研究

会員オーナーのサロン情報

ピティナ会員・会友が所有する音楽サロンをご紹介します。サロン設立のきっかけ、特徴やこだわりなどのインタビューも掲載しております。

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関連記事:サロンって何? 〜歴史あるサロン文化から現代の音楽交流まで〜


サロン一覧
コンサートサロン・レゾナンス 千葉県市川市 根津栄子先生 詳細
ル・ジャルダン・ドゥ・ラ・ムジーク 千葉県市川市 加藤智子先生 詳細
C'est si bon 響堂ホール 東京都世田谷区 添田みつえ先生 詳細
サローネリリコ馬車道 神奈川県横浜市 藤野英人様・藤野麻裕美様(共同オーナー) 詳細
畳のサロン「夢慈歌」 山梨県山梨市 小林菊子先生 詳細
ピアノホールF 愛知県高浜市 深谷直仁先生 詳細
コンサバトリー「シェモザー」 奈良県葛城市 岡田一美先生 詳細
アトリヱ・松田 京都府京都市 松田紗依先生 詳細
フェリーチェホール 大阪府池田市 中西利果子先生 詳細
プルニエサロン 岡山県岡山市 内藤みゆき様 詳細

サロンオーナーインタビュー
関東
千葉県市川市/根津栄子先生
  • 2014年12月14日
  • 40名
  • コンサート、セミナー、勉強会
  • スタインウェイ B型
  • 毎月1〜2回
設立の動機

もともとレッスン室とは別に、夜でも弾ける防音室を自宅の離れに作っていました。音は外に漏れないのですが、響きが少なく練習していてもつまらなく感じたので、もっと響きのよいお部屋を作ろうと思ったのがきっかけです。

サロンの特徴、こだわり

「レゾナンス(共鳴、響き)」という名前が表すように、響きがあり、観客と演奏者とが感動を分かち合える空間を作るため、天井を5.2mと高くしています。コンクールや発表会、リサイタルの前に勉強会や練習にホールを使うことによって広い会場の響きを感じることができます。

またプロジェクタと大きなスクリーンがあり、講座でもコンサートでも手元を映したり、足元のカメラと分割投影することも可能で、どこに座っていても見えるようになっています。

主な活用法

これまでの10年間で、コンサート20回、セミナー33回、勉強会56回と合計109回のイベントを開催してきました。特にピアノとスクリーンを使った勉強会の開催が多いことが特徴です。

サロンを持ってよかったこと

40年間勉強会を続けていますが、毎回会場探しと確保が大変でした。自宅にサロンを設けたことで頻繁に開くことができるようになり、楽になりました。貸会場のような制約もないので、講座のあとは30分ほどはお茶を飲んだりお話をしたりして交流ができています。ミニキッチンもついているので、クリスマスパーティでケーキを食べたり、色々なことが楽に自由にできるようになりました。

サロン運営で大変なこと

ピアノのための湿度温度管理を常にしなければならないこと、イベントごとに準備片付け、掃除が大変なことです。

ル・ジャルダン・ドゥ・ラ・ムジーク
千葉県市川市/加藤智子先生(正会員)
  • 2015年
  • 50名
  • スタインウェイB型マホガニー
  • 自主企画のみ
  • コンサート、公開レッスン、ステップ、リハーサル
設立の動機

「100年位前、大広間において仲間と一緒に演奏した、その時の一室をちょっとのぞいてみたい!」という想いで、自宅にサロンを作りました。

サロンの特徴、こだわり

何よりもまず音響のことを考えました。施工段階でピアノを搬入し、ヴァイオリンとチェロの奏者に試演してもらい、それぞれの楽器の音の響きのためには壁や床の材質は何がいいか、天井はどこを一番高くするかなどを調整し、1年かけて作りました。

特にイギリスの建物やアンティークが好きになり、サロンも洋館のような雰囲気を再現し、内装も全てイギリスとイタリアのアンティークで揃えています。客席はひな壇状になっています。

主な活用法

自主企画の室内楽のコンサートとリハーサル、あわせなどをメインに行っています。コンクール前には、レッスン室と違う環境に切り替えて弾くためにも活用しています。サロンとレッスン室に通じる玄関を自宅と別に作っているので、ステップでは2階ホールを会場、1階のレッスン室を控室として使っています。コンサートのチラシを掲示しておくと近所の方もいらしてくださります。

サロンを持ってよかったこと

室内楽のあわせも、生徒のコンクール前の練習も、やりたいと思った時にホールをわざわざ借りなくてもすぐにできる環境があることは本当によかったと思っています。

大変なこと

24時間冷房で、温度湿度を管理しなければならないために、電気代やメンテナンス費用が非常にかかることです。

東京都世田谷区/添田みつえ先生(正会員)
  • 2016年
  • 45〜60名
  • べーゼンドルファーmodel214/スタインウェイA型
  • 自主企画・貸し出し
  • コンサート、リハーサル、練習、公開レッスン、セミナー、録音、ステップ
  • 月5~10回程度(レッスン以外)
設立の動機

2011年に福島県浪江町で被災し、実家のあった東京都世田谷区へ避難してきました。東京と浪江の大きな違いは、ホール代がとても高く、安いホールは抽選なので、演奏したい人がいっぱいいるのに、弾ける場を探すのが大変なことだと感じました。とにかく、教え子たちが演奏する場を作ってあげたいというのが、一番の願いでした。

サロンの特徴、こだわり

ヨーロッパの街並みにあるような総レンガ造りの外観と、ヨーロッパ調の家具やステンドグラスなどインテリアにもこだわりました。子ども向けの発表会ではステージ上部に青い空と雲が明るく拡がり、大人向けのコンサートではスポットを絞るなど様々な雰囲気を演出できるようにもしました。東京のホールは殺風景なビルにあることも多いので、雰囲気よくコンサートができる場所を心掛けました。

ベーゼンドルファーとスタインウェイA型の2台を常設しているので、弾き比べや2台ピアノの組み合わせなども試していただけます。

主な活用法

通常は息子の添田哲平先生のレッスンをここで行っています。そのほか、教え子のピアニストたちのコンサート、国内外から講師を招いてのセミナーや公開レッスン、そしてステップや提携コンクールの「雪だるまピアノ検定」も定期的に開催しています。

サロンを持ってよかったこと

自前のサロンホールを持って、本当によかったと思っています。音響も非常によいので、生徒たちがよい音環境で弾くための場所に困りません。また、ホールを通じて教え子たちともつながっていられて、そこからまた縁が拡がることも嬉しいことです。

大変なこと

貸し出しも行っているので、下見や予約受けなどの対応をしています。

神奈川県横浜市/藤野英人様・藤野麻裕美様(共同オーナー)
設立の動機

誰もが自由に音楽を演奏し、披露できる開かれた場を提供したいという強い想いがありました。横浜市を中心に、地域に根差した文化と芸術の発展を図りながら、その魅力を周辺地域、そして全国へと発信していきます。

サロンの特徴、こだわり

サローネリリコは、イタリア語で「叙情的なサロン」を意味します。その名にふさわしく、小さくても理想の響きを追求し、クラシック全般に適した音響設計を施しました。

満席時にも響きが損なわれないよう吸音材を用いず、正面の木製ルーバーを壁から離して設置。音がほどよく拡散し、低音の力強い反射と中高音のなめらかな減衰が調和する、自然で豊かな響きの空間を実現させました。

「サロン」ならではと思うこと

サロンならではの魅力は、演奏者と聴き手が近い距離で音楽を共有できることにあると感じます。大ホールにはない親密さと温もりがあり、音楽が生まれる瞬間をともに体感できます。開設して間もないものの、今後は音楽だけでなくセミナーや講演会など、多様な表現や学びの場としても活用できる空間を目指しています。

今後企画してみたいこと

全ての演奏家に広く門戸を開き、表現の機会を提供したいと考えています。自主企画にとどまらず、ピティナをはじめ、他の音楽団体や企業、地域との連携を図りながら、音楽や芸術、さまざまな学びの場として発展していけるサロンを目指してまいります。

中部
畳のサロン「夢慈歌」
山梨県山梨市/小林菊子先生(正会員)
  • 2021年
  • 50名
  • スタインウェイM(2025年まで)、ヤマハC5(2026年〜)
  • 自主企画、貸し出し(2026年春より予定)
  • サロンコンサート、レッスン、練習、リハーサル、収録、セミナー
  • 月に1回程度 ※冬季休業
設立の動機

我が家は築150年を超える古民家で、50年程、義母が民宿をしておりました。600坪の日本庭園があり、自然豊かな静かな場所で、地域の人にも音楽を楽しんでいただけたら、また生徒たちの公開レッスンやリハーサルなどもできたら、という想いから改築し、畳のサロンをつくりました。

サロンの特徴、こだわり

木造建築の開放的な響、畳で音楽が楽しめるところでしょうか。また、標高850mの涼しい山の中にありますので、外からは鳥のさえずりや水の音が聞こえ、心穏やかに過ごしていただける点かと思います。

主な活用法

現在はピティナ課題曲コンサートなどのセミナー、公開レッスン、ピアニストの娘(小林侑奈)が様々なアーティストをお呼びする自主企画の室内楽コンサートが中心となっております。

「サロン」ならではだと思うこと

「和の空間で、リラックスして音楽に浸れた」と言っていただけたことでしょうか。演奏者とお客様が近いため、双方の感情がダイレクトに伝わり、アットホームで親密な時間になっているように感じております。

今後の展望

来年度からの貸出に向けて現在準備中ですが、自然の中の静かな空間で音楽に浸りたいという方が集って、活用してくださるといいなと考えております。また、本館の方では主人の作る葡萄を使った小さなカフェ(予約制)も営業予定なので、別館サロンでのコンサートや弾きあい会、レッスンの合間には、日本庭園を見ながらしばし休憩して、音楽に向かい合っていただけたら幸いです。

愛知県高浜市/深谷直仁先生
  • 2012年
  • 50~70名
  • スタインウェイ D-274
  • 自主企画・貸し出し
  • コンサート、リハーサル、練習、発表会、勉強会、録音・録画、動画配信、ステップ
  • 週4日程度
設立の動機

所有していたスタインウェイD型のフルコンサートピアノを、狭い練習室に埋もれさせるよりは広い空間で皆さんに活用していただきたいと思ったのが第一の動機です。

サロンの特徴

地元の匠の技が光る和の空間のピアノホールです。地元愛知県でとった杉の木の木造ホールで、ホールは広さ約70㎡、最高部の高さは6m以上あり、控え室2部屋と管弦楽器用の防音室も利用できます。2階のキャットウォーク部分に10台の音響パネルを置き、ホールの響きを都度調整しています。小さなホールなのでそのような小回りが利きます。

主な活用法

1,2時間などの貸し出しもしているので、ピアノや室内楽の個人練習やコンクールやリサイタル前のリハーサルなどで、月の半数以上が貸し出し利用されています。プロから学生まで、またピアノだけでなく弦楽器や管楽器など、様々な演奏者の利用もあります。
次いで多いのが、小さな発表会への貸し出しです。自主企画のリサイタルも時々開いており、ステップや入賞者記念コンサートで来てくださったアーティストに翌日小さなリサイタルを開いてもらうこともあります。(→南杏佳さんリサイタルの様子

サロンを持ってよかったこと

このエリアには大きなホールはあってもサロン的な小さなホールがないので、小さいところでもホール的な響きで練習したい時に、手軽に使っていただいけるサロンホールとして地域の役に立てているかなと思っています。

また、ほとんどの利用者の方は、ホームページを通じて申し込まれた初めての方々です。このホールをきっかけに、エリアの色々な音楽関係者との交流が拡がったことも、よかったことの一つですね。

サロン運営で大変なこと

申込の受付や鍵開けは家族で行っているので、誰かが在宅していなければならないなどの点はありますが、あまり苦だというほどではありません。

インタビューは順次公開予定!

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