ピティナ調査・研究

ピアノ曲事典活動報告会レポート

ピアノ曲事典(調査・研究事業)2024年度活動報告会を開催
〜9万曲超のデータベースへと進化、新機能開発も加速〜

2025年5月20日、昨年度にピアノ曲事典(調査・研究事業)にご寄附いただいた方を対象とした活動報告会をオンライン(Zoom)で開催しました。ピアノ曲事典編集長より、昨年度の成果や今後の展望をお伝えし、ご参加のみなさまからも多数のご提案をお寄せいただきました。

ピアノ曲事典2024年度活動報告会の様子
ピアノ曲事典編集部からの報告

2024年度は、のべ89名の方々から合計887,800円のご寄附をいただきました。皆様の温かいご支援に、心より感謝申し上げます。いただいたご寄附は、669点の楽曲解説の追加など、コンテンツの拡充に活用させていただきました。
2024年度は、ピアノ曲事典のコンテンツ整備が過去最速のペースで進行し、収録楽曲数は9万曲を超える規模となりました。そのうち、コンペ課題曲をはじめとした、レッスンでよく使われる楽曲の解説文・音源を特に大幅に拡充しています。その他、公開録音コンサートでは過去9年間で最多となる259曲の音源を収録。YouTubeピティナピアノチャンネルの動画は15,649点(前年比1,600点増)に達しました。

利用状況については、2024年度の年間アクセス数が約601万PVを記録し、YouTube動画の総再生時間は92.2万時間に達しました。これは、コロナ禍における「巣ごもり需要」が落ち着いて以降、低い水準が続いていた状況から回復傾向にあるということができます。

ピアノ曲事典 年間アクセス数の推移

今後の展望としては、各楽曲に固有の「背番号」を付与する楽曲ID普及プロジェクトを推進し、演奏履歴管理や学術研究への貢献を目指します。ピアノ曲事典IDに情報を集約することで、コンペやステップ、コンサートにおいて、どの曲がどれくらい演奏されたかのデータを一元管理することができます。そのデータを活用して、自分だけの演奏履歴(これまで弾いた曲のリスト)を作成したり、統計データを学術研究資料として活用することなどが期待されます。また、楽曲ページへのコメント機能を導入し、演奏者や愛好家の皆様の知見を共有できる場を提供することで、コミュニティの活性化を目指す案もあります。さらに、国際化とAI時代への対応として、多言語対応を推進するとともに、AIでの検索結果にピアノ曲事典のコンテンツが表示されることを目指して、サイト構築を進めます。グローバルな利用者層の拡大と、最新技術による使いやすさの向上に取り組んでまいります。

質疑応答・ディスカッション

報告に続き、参加者との質疑応答・ディスカッションでは、今後のピアノ曲事典の発展に向けた様々な提案がありました。子ども向けコンテンツの充実、演奏関連企画の拡充(ピアノ曲事典オーディションの復活検討)、ステップとの連携強化(演奏履歴に基づく表彰制度やマイページでのバッジ表示など)、作曲会員をはじめとした現代の作曲家によるコメントの拡充整備など、多岐にわたるご意見をいただきました。

おわりに

ピアノ曲事典は、皆様のご支援とご協力により、単なるデータベースを超えて、ピアノ学習者と教育者をつなぐプラットフォームへと進化を続けています。今後も、利用者の皆様のニーズに応える機能拡充と、ピアノ・音楽文化の発展に貢献できるよう努めてまいります。
引き続き、ピアノ曲事典をご活用いただくとともに、ご意見・ご要望をお寄せいただければ幸いです。

本報告会にご参加いただいた皆様、そして日頃からピアノ曲事典を支えてくださっている全ての方々に、心より御礼申し上げます。

調査・研究へのご支援