ピティナ調査・研究

活動紹介:若きピアニスト育成への取り組み~名古屋芸術大学グループ連携による~

ピティナの活動目的である音楽文化の振興の実現は、個々の会員活動の積み重ねによって、達成されます。本記事ではピティナ団体会員でもある名古屋芸術大学の取り組みをご紹介します(ピティナ読み物・連載編集部)。


名古屋芸術大学は、名古屋音楽学校(名古屋市)、MPA音楽院(東京都文京区)とともに若手ピアニストの育成に力を注いでいます。その具体的な取り組みとして、本年2月23日、名古屋市にある中電ホールにて、名古屋芸術大学フィルハーモニー管弦楽団をバックに、若手ソリストによるモーツァルト、ベートーヴェン、ラフマニノフ作曲の代表的なピアノ協奏曲による特別公演を開催しました。

ソリストには、小学6年生から高校3年生の才能ある若きピアニスト6人が審査に合格し、出演。いずれも名古屋芸術大学特別客員教授で、ピティナ正会員でもある世界的ピアニスト、横山幸雄先生監修による名古屋音楽学校の「早期才能開花プロジェクト※」及びMPA音楽院で学び、技術的にも高い評価を得ているメンバーです。

  • 2023年4月よりNext Be Artistプロジェクトに名称変更

ソリストにインタビューしてみると「ソロ演奏の機会は多いですが、コンチェルトを演奏できたことはとても幸せでした。教えてくださる先生がいらっしゃることは、本当にありがたいことだと思います」と話していました。また、別のソリストからは、「最初はオーケストラと合わせるのが難しかったですが、打ち合わせを通してオーケストラとの合奏が楽しく感じられました。ぜひまたチャレンジしてみたい」との声が聞かれました。ソリストのみなさんは緊張しつつも、滅多にないこの機会を、存分に自分の血肉としたように感じられました。

一方、コンサートに訪れた観客からは、「何といっても演奏がすばらしかった! 将来が楽しみですね。コロナに負けずに頑張って精進してほしい」とエールを送っていました。その他にも「年若いながら、技術水準が桁違いで驚いた」「難曲中の難曲のラフマニノフに高校生が全力で弾く様子は、プロの演奏以上に感動した」との感嘆する声が聞かれました。名古屋を拠点とする名古屋芸術大学と名古屋音楽学校、東京拠点のMPA音楽院は、今後もそれぞれの持ち味を活かしながら、「感動を与えられる演奏家」の育成に精力的に取り組んでいく方針です。

なお、文京区にあるMPA音楽院では、名古屋芸術大学大学院事務室東京分室の施設を一部利用してレッスンを行っています。東京分室では大学院音楽研究科の授業も行っており、東京でも名古屋芸術大学大学院音楽研究科の多くの実技科目が受講できるシステムを整えています。今回の特別講演でご関心をお持ちいただいた方は、是非お気軽にお問い合わせください。

問い合わせ先
名古屋音楽学校
TEL:052-973-3456
E-mail:info@nsmusic.jp
MPA音楽院
TEL:03-3868-0820
E-mail:mpa@nua.ac.jp
◆ ピティナ・キャリア支援室長より
今回、私の勤務する名古屋芸術大学グループの若手ピアニスト支援に関する取り組みを知り、是非みなさんにご紹介したいと思い、同大学グループに寄稿を依頼しました。ピアノに真摯に向き合う生徒さんたちの姿を目の当たりにし、音楽大学が一丸となって支援したいとの思いは、関係者一同共通のものではないでしょうか。是非各音楽大学のお取り組みにつき、積極的に情報をお寄せいただければと思います。ピティナ・キャリア支援室は、若き才能あるピアニストを、積極的に支援して参ります。またピアニストのみならず、音楽教室、楽器店、音楽事務所、音楽関係企業など、音楽に関わる職業は多岐にわたります。それらの場で頑張る生徒たちをご支援する取り組みにつきましても、幅広くご紹介して参ります。みなさまからの情報を、お待ちしています。