ピティナ調査・研究

音源公開:喜多宏丞先生によるフランクの演奏動画・解説文

◆音源公開
喜多宏丞先生によるフランクの演奏動画・解説文を公開

今年生誕200年を迎えるセザール・フランク(1822/12/10-1890/11/08)の作品、《オルガニスト、ハルモニウムのための63の小品 FWV 41》(1889-1890)と《前奏曲、フーガと変奏曲Op.18(作曲者自身の編曲によるハルモニウム・ピアノ版)》の演奏動画・解説文が登録されました。演奏と執筆は喜多宏丞先生(演奏会員)です。
喜多先生は長年フランクの演奏、研究に取り組まれており、ピアノ曲事典に多くの音源を提供されています。

《オルガニスト、ハルモニウムのための63の小品》は、題名に「オルガニスト」と入っていますが、足鍵盤のないハルモニウムのために作曲されているため、そのままピアノでも演奏できます。難しい演奏技巧が要求されるわけではありませんが、和声感や調性感を育て、楽譜への洞察力を養う題材としても優れた曲集といえます。
フランクといえば《プレリュード、コラールとフーガ M.21》がなじみ深いと思いますが、シンプルながらフランクらしさが十分に感じられる曲集です。ぜひお聴きください。

オルガニスト、ハルモニウムのための63の小品 FWV 41 ピアノ曲事典へ
前奏曲、フーガと変奏曲Op.18 ピアノ曲事典へ

喜多宏丞先生より、今回の動画についてコメントをいただきました。

フランク作品の演奏を数多くピアノ曲事典に掲載していただき、ありがとうございます。フランク生誕200年を皆様とともにお祝いできることを嬉しく思います。 音楽家人生をピアニストとしてスタートしたフランクでしたが、教会のオルガン奏者として長らくピアノから遠ざかっていました。ピアノのための創作再開のきっかけの一つとなったのが、《前奏曲、フーガと変奏曲》のピアノとハルモニウムのための二重奏編曲だったのではないかと僕は考えています。ピアノとハルモニウムによる《前奏曲、フーガと変奏曲》の演奏も、《オルガニスト》等と併せてこの度公開されますので、ぜひハルモニウムの響きも体験していただければと思います。 指導者としても慕われたフランクの晩年の作《オルガニスト》、短くシンプルな中にもオルガン的な表情とピアノ的な表情の両方を味わえます。気に入ったものがあれば、ぜひ弾いてみていただけると嬉しいです。