おじぎは客席とのコミュニケーション~金井玲子先生インタビュー
ピティナや、その他のステージを客席からご覧になって、演奏以外の部分で目に留まることはありますか?
参加者の皆さん、ステージに向けて仕上げてきていらっしゃるので、マナーがなってないわ、と思ったことはありませんね。
ただ特に小さいお子さんになると、どうしても動作が
"流れてしまう"
ということがあります。お辞儀の前後に止まる、という時間がないと、それぞれの動作がひと続きになって区切りがなく流れてしまうんです。
まず出てきてしっかり止まって客席を見る。それからお辞儀をして、頭を上げたところでまた一呼吸あってからピアノに向かうと、
動作が落ち着いて見え
安心感がありますね。緊張すると焦って、ただでさえ動きが早くなりますし、同じ動きでも舞台が大きいほどせわしく見えますので、大きなホールになればなるほど気をつけた方がいいと思います。
それから、お辞儀の後にも気をつけるべき点がありました。
椅子の調整
の仕方です。たまに客席の方に背を向けたり、しゃがみこんだ姿勢で椅子の高さを調整される方がいらっしゃいますが、これはあまり見栄えが良くないと思います。
お客様には体の正面を向けた状態(もしくはせめて横向き)で上げ下げした方が
スマート
ですよね。
ご自身の生徒さんには、何かステージに出るときのアドバイス等されていらっしゃいますか?
ステージが近くなると、お辞儀は必ず練習させますね。お辞儀をして、弾いて、またお辞儀をするという一連の流れでやっています。
あとは
ビデオを撮る
こともあります。やはりいくら言葉で教えて、本人も気をつけているつもりでも、自分を客観的に見てみないとわからない部分もあると思うので...。ビデオを撮ってみると
演奏中の姿勢
なども自分で見て確認できますしね。
読者の皆さんへメッセージをお願いします!
ステージでは、やはり登場する時の歩き方とお辞儀、そして私自身も心がけていることですが、 "自然な笑顔" も大事ですね。ピアノは演奏中に横を向いてしまいますので、お客様と向き合うのはお辞儀の一瞬だけです。そこはお客様に気持ちを伝える、 コミュニケーションをする場 なので、大切にしていただけたらと思います。
自分の考える曲のイメージや雰囲気でドレスの色を選んだり、衣装を考えるのは楽しいですよね。どんなものでも素敵だと思うのですが、色に関しては、
舞台映え
を考えるとやはりあまりステージの色や、背景の色に溶け込む保護色のような色は避けたほうが良いように感じます。
それから、
ロングドレス
を着る場合はすその扱いが難しいですよね。
両手でよいしょっ、とたくし上げて中のペチコートが見えてしまったりするよりは、客席と反対側の片手だけで持って登場した方が
エレガント
に見えますよ!