書籍紹介『創造力は眠っているだけだ』(プレジデント社)
人生を充実させる「8つのレッスン」(プレジデント社)
小説家でピティナ研究会員のふるたみゆき氏が翻訳に携わったヤロン・ヘルマン(ピアニスト)著『創造力は眠っているだけだ』が2022年3月15日に出版されました。ふるたさんによる紹介文が寄せられていますので、トピックとしてご紹介します。
本書の著者は、大怪我を機に16歳からピアノを習い始め、プロになったジャズ・ピアニスト、ヤロン・ヘルマン氏。失意の中で出会った音楽はヘルマン氏の「創造力」を開花させ、その人生を大きく好転させました。自身を「天才ではない」と語るヘルマン氏が、なぜ国際的に活躍するジャズ・ピアニストになれたのでしょうか。ピアノの学習プロセスに伴う困難——音階練習への苦手意識、先延ばし癖、劣等感など——をいかに乗り越え、「ピアノに向き合う時間が最上の幸せ」と言えるまでに、音楽を愛することができたのでしょうか。
本書では、ヘルマン氏の経験談と共に、「創造力」を輝かせるメソッドを丁寧にご紹介します。
ヘルマン氏は「創造力」を次のように定義しています。「才能」とは異なる力。自分の内面を表現する力。何歳になっても磨くことのできる力。すなわち、すべての人に備わっている力です。本書では、コンサートやレコーディングでのエピソードをまじえながら、「創造力」を輝かせるためのヒントを多数ご紹介しています。
また、恩師との対話を通して、ヘルマン氏は学ぶ喜びを知ります。博学の人たる恩師の言葉は好奇心を目覚めさせ、さまざまな分野への関心を呼び起こしました。多彩な学びは心を豊かにし、ヘルマン氏のピアノの音色にも反映されます。
本書で紹介される恩師のエピソードは、ピアノ学習における指導者の役割の大切さを教えてくれます。
ヘルマン氏がピアノを習い始めたのは、16歳の時でした。一般的には遅すぎる年齢、かつ、ゼロからのスタート。しかし、粘り強い努力は実を結びました。「創造的な活動に、遅すぎることは決してありません」と、ヘルマン氏は読者にエールを送ります。年齢を理由にピアノから遠ざかってしまった人。自分には才能がないと思っている人。創造的な活動を模索中の人。……ヘルマン氏の提唱するメソッドは、そんな読者に一歩を踏み出す勇気を与えてくれます。
「僕たちが音楽を通して学ぶことは、技術的な側面だけではありません」とヘルマン氏は述べています。自分という人間を探求すること。内面を表現すること。自身に眠る「宝物」を掘り起こすこと。その取り組みは、自分の人生を充実させるのみならず、周りの人々を笑顔にできます。本書が多くの方の一助となりましたら幸いです。
原著者のヤロン・ヘルマン氏による、本書のためのスペシャル・セレクションを公開中です。ぜひ、本書と併せてお楽しみください。
原著者:ヤロン・ヘルマン著 原題:Le Déclic Créatif 〔創造性のきっかけ〕
訳者:林昌宏〔仏日翻訳者〕、坪子理美〔英日翻訳者、博士(理学)〕、ふるたみゆき〔小説家〕
ISBN: 978-4833424349
販売情報:全国の書店ほか、プレジデント社のオンラインストア、Amazon等で販売中。