冬に聴きたいピアノ曲7選
寒さが一段と身にしみる季節となりました。なにかと忙しいこの時期に、「癒しの時間」は必須ですね~
本日、ピティナのレーベル『PTNA Recordings』よりデジタルアルバム「冬」が発売されました!!「冬」を感じさせる曲や「冬」をイメージした曲が収録されています。今回は、アルバムより7曲を選んで紹介します。ぜひいろんな曲に触れて、自分のお気に入りの1曲を見つけてみてはいかがでしょうか♪
練習曲集 Op. 25は、リストとの恋愛関係も有名な才人マリー・ダグー夫人に献呈されました。「木枯らし」は革命的な情熱をもった作品として、今日では広く知られています。左手で付点リズムが特徴的な行進曲風のモチーフが繰り返し演奏され、そこに右手の半音階的なパッセージが重ねられ、楽曲が展開されています。
超絶技巧練習曲はリストのワイマール時代の作品であり、リストの卓越したピアノの演奏技術を物語った作品の一つです。第12番「雪あらし」では、荒れ狂う吹雪を想起させる音型によって、メロディが形作られています。「超絶技巧練習曲」の最終曲にふさわしい、演奏至難な作品です。
6曲の小品からなる《子供の領分》は、娘であるクロード=エマに献呈された曲集です。第4曲「雪は降っている」は、16音符の軽快な動きによって、雪があとから次々に舞い落ちる様子を見事に表現しています。そしてメロディに「二点ロ」の3連符の連打が登場すると、音楽は物悲しい雰囲気へ変化していきます(34小節~)。
《子どものためのアルバム》は当初、長女マリーの7歳の誕生日プレゼントにシューマンが贈った曲に、あとでいくつか作品を追加して、曲集として出版されました。第39曲「冬の季節その2」では、冬の真っただ中に温かい春を待ちわびる思いを綴ったような、感傷的なメロディが印象的です。
この作品はシューベルトの歌曲「菩提樹」をリストがピアノ独奏用に編曲したものです。「菩提樹」はシューベルトの有名な歌曲集「冬の旅」に収録された歌曲で、失恋した若者が放浪の旅に出る場面で、若者が絶望や悲しみにくれる姿が描かれています。リストは超絶技巧を随所に散りばめ、心情を効果的に表現しています。
ピアノ・ソナタ 第8番「悲愴」 は、ベートーヴェンの初期のピアノ・ソナタの傑作とされており、美しい楽想で広く知られている作品です。第2楽章は緩徐楽章の中でも、最も優雅な音楽と言えるのではないでしょうか。「アダージョ・カンタービレ」と曲想標語が書かれた第2楽章では、祈りを捧げるかのように、抒情的な旋律が歌われます。
ショパンは子守歌を1曲しか書いていません。この曲では、ほとんどリズムが変化することのない伴奏に、単純な旋律の変奏が重ねられています。ショパンは《子守歌》の変奏において、装飾音を巧みに使いこなし、洗練されたピアニズムの世界を作り上げています。
山﨑 亮汰/リスト:超絶技巧練習曲集 S139/R2b - 第12番 変ロ短調 「雪あらし」
関晴子/ドビュッシー:前奏曲集 第1集 - 第6曲 雪の上の足あと
丸山 耕路/J.S. バッハ : ゴルトベルク変奏曲 BWV 988 - アリア
金子 一朗/ドビュッシー:子供の領分 - 第4曲 雪は踊っている
石井 晶子/シューマン:子供のためのアルバム 第2部 「大きな子供のために」 Op. 68 - 第39曲 冬の時 II
中川 京子/小栗克裕:組曲「水の彩る風景」第1集 第6曲 きらきら雪が踊る朝
黒川浩・中沖いくこ/中田喜直:日本の四季 冬が来て雪が降りはじめ氷の世界にやがて春の日差しが
恩田 佳奈/リスト:7つのメンデルスゾーン歌曲集 S547/R217 (Op. 19a, 34, 47) - 冬の歌、ズライカ
尾崎 有飛/リスト:シューベルト - 冬の旅 Op. 89, D. 911 - 第5曲 菩提樹(編曲:リスト)
山﨑 夢叶/ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番 ハ短調 「悲愴」 Op. 13 - 第2楽章 アダージョ・カンタービレ
三重野奈緒/ショパン:子守歌 変ニ長調 Op. 57
友清 祐子/ランゲ:花の歌 Op. 39
【PTNA Recordings(ピティナ・レコーディングス)】一般社団法人 全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)が主催・運営するピアノ・コンクールのライブ演奏や、ピアノ曲事典プロジェクト等で収録された音源などを中心に配信いたします。
より多くの方々に演奏を聴いていただき、アーティストとしてここから大きく巣立って欲しい、という想いから立ち上げたレーベルです。
また、ピアノ教育や音楽教育にかかわる曲についても積極的に紹介してまいります。
全世界の様々な音楽配信サービスで、幅広い楽曲と演奏をお楽しみください。