月夜に聞きたいピアノ曲7選
2021年の中秋の名月は9月21日。日本ではその夜にお月見をするという習慣がありますね。そんなお月見を、今年は音楽で楽しんでみてはいかがでしょうか。
本日、ピティナのレーベル『PTNA Recordings』よりデジタルアルバム「月」が発売されました。月をイメージさせる曲など、バラエティ豊かなピアノ曲が収録されています。今回はアルバムより7曲を選んで紹介します。
「トロイメライ」は夢想にふけることを意味します。シンプルな形の音の並び(モチーフ)が8回繰り返される単純な曲のようですが、繰り返される度に変化するニュアンスによって、微かに異なる雰囲気が映し出されています。
「荒城の月」は哀愁を帯びたメロディと歌詞が特徴的な滝廉太郎の歌曲です。これを山田耕作は1917年に変奏曲として作曲しました。繊細かつ壮大な音楽が繰り広げられています。
甘美なメロディと豊かなハーモニーの揺れ動きによってバルカローレのリズムが奏でられ、楽曲に多彩な色調の変化をもたらしています。それは、まるで月の光が水面に輝く様子が描かれているようです。
ヴェルレーヌによる詩「月の光」を題材にした作品としては、ドビュッシーの曲が特に有名でしょうか。実はフォーレも、声楽のためピアノのためにそれぞれ作曲しました。月明かりの夜が巧みに表現され、美しくも悲しい情景が奏でられます。
どこか物憂いな感情に支配されているような、独特な響きが特徴の作品です。ふとした瞬間に挿入される半音階によって、神秘的な音楽が生み出されています。
ピアノ・ソナタ第14番は、ベートーヴェン自身によって「幻想風ソナタ」という表題が付けられています。第1楽章は静かで物悲しい印象もありますが、途切れることのない3連符と緩やかなメロディによって幻想的な世界が表現されています。
ショパンのエチュード同様に、技巧的な練習のなかにも音楽が存在しているエチュード集です。第11番は表情豊かなメロディが印象的な作品です。時折異なる種類のリズムの組み合わせなど、スクリャービンの独自性も垣間見られます。
中川 京子/J.S. バッハ:3声のインヴェンション(シンフォニア) BWV 787-801 第2番
中川 京子/シューマン:子供の情景 Op. 15 - 第7曲 トロイメライ
喜多 宏丞/山田耕筰:哀詩 - 《荒城の月》を主題とする変奏曲
安倍 美穂・杉浦 菜々子/平吉毅州 :子どものためのピアノ連弾小曲 《カーニバルがやってきた》 月明かりに踊っているのはだれ
山縣 美季/ショパン:夜想曲第12番 ト長調 Op. 37, No. 2
中川 京子/J.S.バッハ:フランス組曲第5番 ト長調 BWV 816 I. アルマンド
黒川 浩/フォーレ:月の光 Op. 46 (ピアノ編)
中川 京子/サティ:3つのジムノペディ - 第1番 ゆっくりと悩める如く
金子 一朗/ドビュッシー:映像 第2集 第2曲 荒れた寺にかかる月
喜多 宏丞/ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番 嬰ハ短調 「月光」 Op. 27, No. 2 第1楽章
黒川 浩/山田耕筰:月光に悼さして
森本 隼太/スクリャービン:12の練習曲 Op. 8 第11番
喜多 宏丞/ドビュッシー:前奏曲集 第2集 - 第7曲 月の光がふりそそぐテラス
【PTNA Recordings(ピティナ・レコーディングス)】一般社団法人 全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)が主催・運営するピアノ・コンクールのライブ演奏や、ピアノ曲事典プロジェクト等で収録された音源などを中心に配信いたします。
より多くの方々に演奏を聴いていただき、アーティストとしてここから大きく巣立って欲しい、という想いから立ち上げたレーベルです。
また、ピアノ教育や音楽教育にかかわる曲についても積極的に紹介してまいります。
全世界の様々な音楽配信サービスで、幅広い楽曲と演奏をお楽しみください。