【鼎談】小渕優子副会長 × 福田成康専務理事 × 大内孝夫キャリア支援室長
2021年6月14日の総会・理事会にてピティナの役員改選が行われ、衆議院議員の小渕優子さんが副会長に就任しました。そこで小渕新副会長、福田成康専務理事、大内孝夫キャリア支援室長との三者鼎談を企画し、7月1日、衆議院議員会館の小渕優子事務所にて開催されました。
撮影/ヒダキ トモコ
今日はお忙しい中、お時間を頂きありがとうございます。早速ですが、今回副会長にご就任された経緯について、お話しいただけますか。
これまでご指導いただいていた羽田雄一郎副会長が2020年12月に急逝され、どなたか適任はいないものかと出井伸之会長にご相談させていただきました。その際出井会長が、「早稲田大学同級生の故小渕恵三さん(元首相)とは家族ぐるみの付き合いだったから、(娘の)優子さんに頼んでみようか」と仰ってくださり、是非! と橋渡しをお願いしたのです。ご快諾いただけましたこと、改めて心から感謝申し上げます。
プロフィール・経歴
いえいえ、こちらこそ光栄なことと思っております。じつは出井さんと父小渕恵三、私、みんな丑年仲間(笑)。その出井さんからのお声かけですし、3歳から大学までピアノを習っていたこともあり、これもご縁だなぁ、と思ってお引き受けすることにしました。
私は小渕さんが「ピアノが子育ての時にとても役に立った」とお答えになっている記事を見つけて、これはいい話だと、近著『「ピアノ習ってます」は武器になる』(130ページ)でご紹介させていただきました。偶然とはいえ、ご就任と出版の時期が重なり、勝手にご縁を感じています。
もうだいぶ前の記事なのに、よく見つけましたね。子どものときは考えもしませんでしたが、まさか親になってピアノがこんなに役立つとは思いませんでした。私がアンパンマンを弾くと、子どもがすごく喜んでくれて、とても幸せを感じました。ピアノを習わせてくれた親に感謝しないと、とつくづく思いますね。
プロフィール
いいお話ですね。お父さまとの思い出などで、何かピアノにまつわるお話はありますか?
そうですね、やっぱり発表会でしょうか。生徒20人くらいが参加する小さな会でしたが、いつも父が聴きに来てくれていました。終われば家族みんなで食事して、それはそれは楽しいひとときでしたね。父はショパンが好きで、故中村紘子さんとも親交がありました。その影響か、中学受験後にピアノを再開する際は、思い切って「子犬のワルツが弾きたい」と先生にお願いしたんです。バイエルも終わるかどうかで中断したため、先生のお顔に「そんなの無理!」と書いてありましたが、それが悔しくて心に火がつき、猛練習して弾けるようになりました。それからはショパンの曲を一曲一曲仕上げていくのが楽しくて、習い続けることができました。
あと、これは父とは直接関係ありませんが、大人になって子供が生まれたときですね。ちょうど私の先生の教室の発表会があったので、生まれたばかりの長男を先生に見せに行ったら、とても喜んで下さいました。あの時の先生の笑顔は忘れられません。
プロフィール
生徒さんが立派に成長され、お子さんができたと報告を受けるときは、先生にとっても至福の時だそうですよ。
確かに。20年以上のお付き合いですから、家族みたいな感じですものね。
ピティナ副会長ご就任の抱負と、ピアノの先生方へのメッセージを頂けますか。
今は色々な習い事があるので、その中でピアノの魅力をどう発信していくか、皆さんと一緒に考えていきたいと思っています。教育・経済・健康など複数の観点を交えて、民間教育団体ならではの機敏さと柔軟性を発揮していけるといいな、と思います。
またピアノの先生は、私の先生のように、ときに人生の師となることもあります。ピアノの技術的なことだけではなく、長期的な視点で生徒さんの成長を見守っていただければ、きっと大きな果実が得られるはずです。
小渕さんの副会長就任を、音楽教育の新たなステージと捉え、ご指導いただきながら様々な取り組みを行っていきたいと思います。よろしくお願いします。
取材日 2021年7月1日/衆議院議員会館にて