夏に聞きたいピアノ曲7選
あっという間に夏も本番。
今年の夏もコロナ禍で自粛モードが続きそう…と嘆いている方も多いと思います。そんな時だから、おうちで涼みながら音楽を聴いてリフレッシュするのはいかがでしょうか♪
本日、ピティナのレーベル『PTNA Recordings』よりデジタルアルバム「夏」が発売されました!!夏をイメージさせる曲から夏に聴きたい名曲まで、多様なピアノ曲が収録されています。今回は、アルバムより7曲を選んで紹介します。
「三角帽子」は、アラコンのアンダルシアを舞台とした短編小説『三角帽子』をもとにして、ファリャが作曲したバレエ音楽です。第2幕に登場する「粉屋の踊り」では、冒頭に登場する特徴的な音型と即興的なパッセージに促されるようにして、粉屋が踊り出す様子が見事に表現されています。
この曲集には《スペインの歌》というタイトルからも想像できるように、アルベニスの祖国であるスペインへの郷愁をそそるものがあります。第3曲〈椰子の木陰で〉は、オクターブによる旋律と付点リズムを用いた伴奏によって構成されています。タンゴを思わせるような曲想が印象的な1曲です。
ガブリエル・デュポンは19世紀後半から20世紀にかけて活躍した、フランスの作曲家です。彼の最も印象的なピアノ曲として挙げられている《砂丘に建つ家》は、フランスのアルカションにて海岸の風景からインスピレーションを受け作曲されました。付加音や半音階のハーモニーによって特徴づけられた、幻想的な世界が広がっています。
作曲の師であったガブリエル・フォーレに献呈された作品。楽譜冒頭には、アンリ・ド・レニエの詩「水の祭典」から引用された「水にくすぐられて微笑む河の神」というテキストが添えられています。冒頭の右手で演奏される様々なアルペジオや、19小節から登場する長2度のアルペジオ風の動機によって、変幻自在に水の色彩が表現されています。
ハバネラはゆるやかな2拍子が特徴的な舞曲で、英国のカントリーダンスがルーツとされています。この曲では、ハバネラのリズムと共に演奏されるエキゾチックなメロディがとても魅力的です。ハバネラのリズムは、ドビュッシーやラヴェルといったフランスの作曲家をはじめ、先ほど登場したアルベニスにも影響を与えています。
日本では「きらきら星」として知られているこの旋律は、フランスの歌「ああ、お母さん聞いて」に由来します。モーツァルトの変奏曲の中では最も知られており、12の変奏の中で、リズムや伴奏形、調の変更によって次々に展開されていきます。特に最後の第12変奏はクライマックスにふさわしい、華麗な終曲となっています。
作品全体としては、A–B–Aという古典的なスタイルでまとめられています。冒頭で演奏された主題動機を即興的に展開しながら曲は進行します。その中にはリズムや旋律にシンコペーションを多用し次々に変化する音楽があり、ジャズ的な要素も垣間見られそうです。
田口翔/セヴラック:沐浴する娘たち
西本夏生/アルベニス:スペインの歌 Op. 232 - 第3曲 椰子の木陰で
森本隼太/デュポン:砂丘に建つ家 第6曲 陽の光は波間に戯れる
金田真理子/ラヴェル : 水の戯れ
佐久間あすか/平吉毅州 :「虹のリズム」 第19曲 夏の夜のハバネラ
泉 ゆりの/モーツァルト : フランスの歌「ああ、お母さん聞いて」による12の変奏曲 きらきら星変奏曲 K. 265
宮澤むじか/ドビュッシー:前奏曲集 第2集 第12曲 花火
中川京子/ガーシュウィン:3つの前奏曲 第1番
宮脇 麻愛/レシェティツキ: 組曲 「ア・ラ・カンパーニュ」 Op. 40 - 第2曲 ロマンス
三浦実/リスト:巡礼の年 第3年 S163/R10 - 第4曲 エステ荘の噴水
丸山耕路/J.S.バッハ : イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV 971
【PTNA Recordings(ピティナ・レコーディングス)】一般社団法人 全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)が主催・運営するピアノ・コンクールのライブ演奏や、ピアノ曲事典プロジェクト等で収録された音源などを中心に配信いたします。
より多くの方々に演奏を聴いていただき、アーティストとしてここから大きく巣立って欲しい、という想いから立ち上げたレーベルです。
また、ピアノ教育や音楽教育にかかわる曲についても積極的に紹介してまいります。
全世界の様々な音楽配信サービスで、幅広い楽曲と演奏をお楽しみください。