ぴてぃにゃんと振り返ろう―サン=サーンス没後100年―
フランスの作曲家 サン=サーンスは、2歳でピアノ弾き3歳で作曲を始めるなど、その才能はモーツァルトと比較されるほどの神童でした。そんなサン=サーンス没後100年を迎えた2021年、彼の音楽を巡る機会になると嬉しいです♪
最初に、サン=サーンスの組曲「動物の謝肉祭」から4曲を紹介します。
実はこの組曲、とても謎めいた作品なのです。
楽曲の詳細はこちら(ピアノ曲事典へ)
カーニバルの行進の中、フロート車に水槽を載せている状態です。連続的なアルペジオによって揺れ動く水面が描写され、さらに16分音符で構成された4小節やグリッサンドの効果的な挿入によって、幻想的な雰囲気を作り出しています。
冒頭サン=サーンス自身の《死の舞踏》のテーマが登場し、続いてフランス民謡、最後にはロッシーニの《セビリアの理髪師》からアリアの旋律が引用されています。構成がとてもおもしろい1曲です。
とても優雅な一曲です。2台のピアノとオーケストラのために書かれた原曲のスコアでは、チェロが旋律を演奏しピアノが和声を支えます。それが2台ピアノ版でも見事に転写され、水面で輝く白鳥が見えてきます。
パレードの締めくくりにふさわしい、華やかな1曲。組曲の中で登場してきた動物たちが再びやってきて、そこにはまるで動物園を巡っているような楽しさがあります。
フランスの詩人、アンリ・カザリスの詩からインスピレーションを受け、1874年に交響詩として作曲されました。真夜中12時、ガイコツが不気味に踊り出すと音楽は次第に激しさを増していき、夜明けが近づくと再び静寂が訪れます。
エジプト滞在中に作曲したピアノ協奏曲第5番は、絵画的な協奏曲となっています。「エジプト風」と呼ばれる由来となった第2楽章は、弦セクションが刻むリズムに先導されピアノ・パートが登場します。中間部の民俗音楽を想起させるリズムからは異国さが感じられます。
2楽章を各2部ずつに分け4楽章のような構成を持つ、サン=サーンス第1曲目のヴァイオリンソナタです。第1楽章第1部では、冒頭ヴァイオリンとピアノの掛け合いが繰り広げられ一気に曲が展開し、アタッカで緩徐楽章に当たる第2部が始まります。
前回大会のレポートはこちらから見ることが出来ます。
いかがだったでしょうか。
もっとサンサーンスの世界に触れたい方は、連載「旅するピアニスト サン=サーンス」もおすすめです。