ピティナ調査・研究

YouTubeのピアノ・レッスン利用について

YouTubeのピアノ・レッスン利用について

YouTubeの利用規約には「個人的、非営利的な用途以外」で利用することを許可しないという項目があります。ピアノ教室で生徒さんとの間で動画のやり取りをするといった利用方法がこれに抵触しそうで「心配」というお声を頂きましたので、ピティナとしての見解を記します。

YouTube利用規約
  • ページ中ほど、禁止事項の「9」をご覧ください。

ピアノ指導者の先生方の中には、YouTubeの「限定公開」機能などを使って、生徒さんとレッスン動画をやり取りしている方がおられます。これが「禁止事項」にあたるのではないかとご不安になられるかもしれません。

結論から書きますと、レッスン上の連絡手段としてYouTubeをお使いになることを咎められたり、アカウント停止の処分等を受けることは、まずありえないと考えております。

YouTubeの規約は「想定される様々なケース」に対処するために存在しています。最悪のケースでは、たとえば、あるユーザーが有料の会員制メディアを成立させる目的のためだけにYouTubeの仕組み、たとえば限定公開を使って「大儲けしよう!」というような場合です。この使い方では、ユーザーに多くの収入が入る一方でYouTubeに広告収入が入らず「タダ乗り」となります。そのような傾向が甚だしい場合にYouTubeを運営するGoogleが「規約違反だ」と言えるようにしています。

生徒と先生の連絡ツールというきっかけでYouTubeを使い始め、のちに演奏を一般公開するようなことが期待できるなら「規約違反だ!」といって取り締まることはなく、逆に期待を持ってくれるはずです。商用利用の閉じた使い方だけに「特化」していなければ「連絡ツールとして使っている」として解釈されるでしょう。

YouTube、そしてGoogleの規約はあくまでも「関わる人たちみんなで健全に成長するため」のルールです。グレーゾーンが存在することは確かで、使い方によっては、Googleから警告を受ける可能性が「ゼロ」ではありません。しかしユーザー、視聴者、広告主、そしてGoogleにとってもメリットがあるのであれば「一言一句厳密に順守すべき」という性質のものではありません。

成長著しいせっかくの新しい仕組みですから、あまり委縮し過ぎず、のびのびとお使いになられてはいかがでしょうか。

※文責:ピティナ(取材等を元に構成)

併せてお読みください:YouTubeの「限定公開」について知ろう