ピティナ調査・研究

第22回 テクニックを身に付けさせる指導法 伊藤仁美先生

指導者が答える お悩みQ&A
様々な指導法やテクニックがありますが、何が正しいのか、また、何を使ったらよいのかを見極めるのが難しいです。
伊藤仁美先生にお答えいただきました。
いとう ひとみ◎ピティナ正会員。桐朋学園大学音楽学部ピアノ科卒、ギロック協会主宰。

多様な指導法やテクニックがありますが、一番重要なことは脱力して指を正しく動かす技術と譜読みの力を身に付けることだと思います。この力をつけるために有効なのが、ハノンです。
具体的には、ハノンを全調で弾けるようにさせます。難しく感じられるかもしれませんが、毎日少しずつ訓練すれば、幼稚園の生徒さんでも、大人になってピアノを始めた方でも、皆さん必ずできます。そして、全調でハノンが弾けるようになれば、レパートリーで黒鍵の多い調や、転調して臨時記号が出てきても、つまずくことなく進んでいけるのです。コンクールの審査やレッスンの中で、バッハのインヴェンションで挫折する子を多く見てきましたが、この練習を導入したら譜読みも早くなり、皆さん弾けるようになりました。

そうはいっても、小さな子にハノンを練習させるのは難しく、時間もかかります。そのため原曲をそのまま弾かせるのではなく、10~15分程度でできるように指導者がアレンジして渡すとよいでしょう。私が書いた「BASIC HANON」(株式会社ハンナ刊)もご参考としていただけましたら幸いです。

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