第2回:視聴者はなぜその動画を視聴したのか?(YouTubeアナリティクスでわかること)
視聴者はなぜその動画を視聴したのか?
(YouTubeアナリティクスでわかること)
皆様はYouTubeで動画を視聴する際に、どのような基準、理由で動画を選んでいますか? その気持ちはいったん置いて、具体的なアクションをまず挙げてみると…
- PCでYouTubeにアクセスし、検索して、見たい動画を選ぶ
- スマホで登録チャンネルから、お気に入りのチャンネルに行き、見たい動画を選ぶ
- スマホでホームから、見たい動画を選ぶ
- すでに視聴している動画の横(PC)や、下(スマホ)の関連動画から見たい動画を選ぶ
など様々なアプローチが考えられます。
ちなみに弊社(クリーク・アンド・リバー社)ネットワーク全247チャンネルの合計値をデバイス別で分析すると次のような結果となります。
- スマホで視聴している(視聴回数構成比62.3%、視聴時間構成比55.2%)
- タブレットで視聴している(視聴回数構成比19.0%、視聴時間構成比13.4%)
- パソコンで視聴している(視聴回数構成比7.2%、視聴時間構成比13.2%)
- テレビで視聴している(視聴回数構成比6%、視聴時間構成比10.4%)
となります。
視聴回数では圧倒的にスマホでの視聴が多いものの、パソコン・テレビではじっくり長く視聴いただける傾向にあり、タブレットは視聴回数の割に視聴時間が短く「子供の視聴が多いのかな?」と思わせる結果となります。
ちなみにどのような経路でその動画にたどり着くかというと下記のようになります。
- 「関連動画」から(視聴回数構成比44.4%、視聴時間構成比37.7%)
- トップ(ホーム)や登録フィードから(視聴回数構成比33.6%、視聴時間構成比36.5%)
- YouTube検索から(視聴回数構成比7.5%、視聴時間構成比6.8%)
- それぞれのチャンネルで見ている(視聴回数構成比5.0%、視聴時間構成比6.1%)
検索やそれぞれのチャンネルに訪れて視聴する、という「積極的な利用」よりも、関連動画やトップでおすすめされているものの中から見たい動画を選ぶ、という「受動的な利用」のほうが多いことがわかります。
ちなみに音楽・ダンスジャンルでは…
- 関連動画から(視聴回数構成比41.7%、視聴時間構成比46.6%)
- トップ(ホーム)や登録フィードから(視聴回数構成比26.9%、視聴時間構成比25.2%)
- YouTube検索から(視聴回数構成比10.0%、視聴時間構成比8.1%)
- それぞれのチャンネルで見ている(視聴回数構成比6.9%、視聴時間構成比6.1%)
いわゆるYouTuber、インフルエンサージャンルでは…
- 関連動画から(視聴回数構成比34.3%、視聴時間構成比39.1%)
- トップ(ホーム)や登録フィードから(視聴回数構成比39.9%、視聴時間構成比37.5%)
- YouTube検索から(視聴回数構成比9.9%、視聴時間構成比8.3%)
- それぞれのチャンネルで見ている(視聴回数構成比9.3%、視聴時間構成比8.5%)
となります。
いわゆるYouTuber、インフルエンサージャンルと比較してみると、音楽・ダンスジャンルの特徴としては関連動画経由での視聴が多く、受動的とはいえ、チャンネル登録や過去の視聴傾向が反映される「トップ(ホーム)や登録フィードで見ている」層が減っているのがわかります。
つまり…
音楽・ダンスチャンネルの動画は、Googleからのおすすめで視聴されるよりも関連動画等で受動的に視聴されるケースが多く、チャンネルや出演者に基づく縦軸の視聴に加え、特定の曲や流行の曲、似た企画(ストリートピアノ)などチャンネルを横断して「横軸」で視聴するケースが多いということになります。
それは地道に開拓したファン以外の視聴も獲得できることを意味しており、チャンネル登録者以上にバズる可能性を秘めたジャンルと言え、そこから新しいファンの獲得ができればチャンネルとして急成長できるということになります。
また逆の観点からいうと、ファン以外にも視聴されやすいコンテンツとなるため、例えば動画冒頭におけるファンだけに通用する前置きの長さは、視聴維持の減少を招く可能性があります。 サムネイルと動画タイトルの雰囲気から連想される本題にできるだけ早く展開したいところです。
もちろんYouTube検索も新規の視聴ユーザーとの接点を生む上では非常に有効です。 特にHowToなどヘルプコンテンツ(問題の解決につながる動画)が多いチャンネルにとっては主要な視聴経路になるケースも多いですが「今まさに困っている!」という顕在化されたニーズ以上のパフォーマンスは出にくいと言えます。 やはりチャンネルの成長角度を上げるには関連動画、トップ(ホーム)や登録フィードなどgoogleにおすすめされて視聴するような「受動的な導線」の確保が必要になり、現に全体では約80%を占める主要な視聴経路となります。
これはYouTubeアナリティクス上では「トラフィックソース」と呼ばれる項目です。
- 関連動画で見ている:関連動画
- トップ(ホーム)や登録フィードで見ている:ブラウジング機能
- YouTube検索で見ている:YouTube検索
- それぞれのチャンネルで見ている:チャンネルページ
という名称で分類されています。
これにより、
- チャンネルがどういう経路で見られているのか?
- どういうシチュエーションで見られているのか?
- 通常主要なトラフィックソースであるはずの関連動画・ブラウング機能で見られているか?
といったことを数値で分析することができ、視聴者増のために次に何をすべきかを検討することができます。
もちろん、ご自身で制作し、公開した動画のすべてがかわいく、大切な作品であることは間違いありません。なかなか客観的な視点での分析はしにくいものです。だからこそ、MCNのような外部のサポートパートナーも存在しています。いっぽうで、YouTubeアナリティクスはチャンネルの規模関係なく、誰もが使用できるツールですので、使わないのはもったいないです。
ぜひ一度、ご自身の「YouTubeSTUDIO」にアクセスいただき、トラフィックソースをご確認ください。
アナリティクス→上段タブのリーチ→折れ線グラフ下をご確認いただければ「トラフィックソースの種類」がご確認いただけるはずです。
右上の期間の設定を過去28日から、様々な期間に変更することでその構成比の変化に気づくことも可能です。
また、アナリティクス→概要→折れ線グラフ直下の詳細リンク→上段タブのトラフィックソースでは、さらなる各トラフィックソースの推移がわかります。
折れ線グラフ右上の日別を、週別、月別、年別に切り替えてより大きなトレンドの変化に気づきやすくするという方法もあります。
以上今回は、「視聴者はなぜその動画を視聴したのか?」というテーマでYouTubeアナリティクスの使い方をご紹介しました
次回は、YouTubeで視聴回数が伸びる基本的な仕組みについてお話します。