ピティナ調査・研究

第175回 献呈されなかったサンド

ショパン物語
1.献呈 当時、若きショパンがワルシャワで作曲していたピアノ協奏曲ヘ短調の第2楽章はコンスタンツア・グワトコフスカへの思いが込められていると言われている。が、このピアノ協奏曲へ短調は、後にポトツカ伯爵夫人に献呈されている。
また、マリヤ・ヴォジンスカへの思いを込めて書いたというワルツ変イ長調の楽譜は、ショパンの生前は出版されず、下書きのままだったためか、ショパンが「焼却してほしい」と遺言した中に入っていた。その後フォンタナによってOp69-1として死後出版されるので、献呈者の名前はない。
林 倫恵子(はやしりえこ) 漫画家・ピアノ指導。ホームページ