ピティナ調査・研究

第165回 ショパンの葬儀

ショパン物語
1.ドラクロワの日記 ショパンの死を知ったドラクロワは日記に「何という損失だ。あの穢れのない素晴らしい魂は消えてしまった。残ったのは下劣で汚れた世の中だけだ」と嘆いている。
2.葬儀の様子 1849年10月30日12時にマドレーヌ寺院で始まる。
ショパンの棺が、安置されていた寺院の地下室から、正面入り口に運ばれる時には、オーケストラ用に編曲されたピアノソナタ変ロ短調の3楽章「葬送行進曲」が演奏され、そのあと、モーツアルトのレクイエムが演奏された。レクイエムが終わると、オルガンで、故ショパンのプレリュードホ短調とロ短調が奏された。
ミサが行われ、そのあと、マドレーヌ寺院から墓地へ、棺が運ばれる。葬列の先頭には、ショパンと家族ぐるみの付き合いのあったアダム・チャルトリスキ公、棺の傍らには、友人のフランコム、プレイエル、ドラクロワ、アレクサンドル・チャルトリスキ(愛弟子のマルツェリーナ・チャルトリスカの夫)が付き添い、その後ろを姉ルドヴィカ、そしてジェーン・スターリングの姿があったという。しかし、ジョルジュ・サンドを見た者は誰もいなかったという。
林 倫恵子(はやしりえこ) 漫画家・ピアノ指導。ホームページ