ピティナ調査・研究

第070回 初めての不和 その2

ショパン物語
1.ショパンの苛立ち この年のノアンでは、ロジエーリ嬢への苛立ちのほかに、ノアンに新しく届いたプレイエルのピアノにも「音が悪い」と、荒々しい調子で、ピアノを交換させたり、下男を解雇したり、親友たちにヒステリー的な手紙を書き送ったりしていたという。
しかし8月ころには、ショパンのお気に入りの友人・芸術仲間でもあるポーリーヌも遊びにやってきて、ショパンの苛立ちも落ち着いてきたようで、その頃のサンドの、ロジエール嬢に宛てた手紙にも「彼の気分が落ち着き、快活になったことに驚いてます」と書いている。
2.ロジエール嬢のその後 結局、アントニとは別れることになり(アントニが逃げたのだ)、それにより、ショパンもロジエール嬢を許し、ロジエール嬢とショパンは、師弟関係として元の親しい関係に戻ったのである
林 倫恵子(はやしりえこ) 漫画家・ピアノ指導。ホームページ