ピティナ調査・研究

第066回 久しぶりの演奏会

ショパン物語
1.演奏会の報酬 チケットの4分の3は、友人知人に買われ、あとはコネをもつ上流階級の人たちや名士で会場は埋まり、チケット代は、15フランと20フランで、当時の音楽会として最高の額(オペラの最高の席が12フラン)だった。この演奏会で、ショパンは6000フランという大金を手に入れ、経済的にも成功をおさめた。
これについてサンドは「ショパンは夏中、遊んで暮らせるお金を手にしました。2時間、手を動かしただけで6千数フランも・・・悪党ですわ(冗談めかして)」と異母兄への手紙に書いている。
2.プログラムの内容 ショパンはマズルカ、ノクターンなど数曲と、バラード2番、ポロネーズOp40,スケルツォ2番を弾いた。ちなみに当時の演奏会では、主役の独奏者のほかに、歌手やその他の奏者も出演するのが慣わしであり、ショパンはヴァイオリストの伴奏もした。
演奏会の批評文はリストが筆をとり、賞賛したという。
林 倫恵子(はやしりえこ) 漫画家・ピアノ指導。ホームページ